この記事でわかること
- 乳首(乳頭)の黒ずみの主な原因は、ホルモンバランスの変化によるものです。産後にゆっくりと薄くなっていくでしょう。
- 乳輪にできるニキビのようなブツブツは、モントゴメリー腺の発達、もしくは乳口炎(白斑)の可能性があります。
- 乳首(乳頭)のヒリヒリ感や痛みは、ホルモンの影響による敏感肌や乾燥、摩擦、授乳による刺激などが重なることで起こります。
- いずれも、日ごろの保湿ケアで乳首(乳頭)をすこやかに保つことが大切です。
- 強い痛みやただれ、出血を伴う場合は、早めに受診しましょう。
監修:代田 佳恵(しろた よしえ)先生
助産師・看護師。 総合病院産婦人科勤務を経て、2003年に出張専門助産院「マミーズルームしろた」を開設。
詳しいプロフィールを見る【目次】
◼︎乳頭ケアにおすすめのアイテムはコチラ
1.【妊娠中】に乳首や乳輪が黒ずむ原因
妊娠中は、女性ホルモンの分泌量が変化することで、メラニン色素の生成が活発になります。乳首(乳頭)や乳輪は特にその影響を受けやすく、大きく黒ずんでいきます。「生まれた赤ちゃんがおっぱいを見つけやすいために…」という説もあるようです。
産後、ホルモンの分泌が落ち着くにつれて、乳首(乳頭)の色も薄く変化していくでしょう。ただし、変化の感じ方には個人差があることも覚えておいてください。
下着や衣類の摩擦なども黒ずみの要因となることがあるため、肌が敏感になっていると感じたら、バストに触れる素材をコットンなど低刺激のものに替えるのもおすすめです。
▶関連記事:妊娠中・産後・卒乳後のバストケアとは?胸の変化とケアの基本【助産師監修】
2. 【妊娠中・授乳期】に乳首や乳輪がブツブツする原因
「乳輪にブツブツがたくさん出てきた…」「乳首に白いニキビができて痛い…」というお悩みも多く聞かれます。主に2つの原因が考えられます。
ブツブツが気になるからと、触ったりこすったりすると痛みが強くなることがあります。やさしく扱うことを意識しましょう。
モントゴメリー腺の発達の可能性
乳輪のブツブツは、モントゴメリー腺と呼ばれる、乳輪にもともとある皮脂腺の一種です。妊娠によって乳首(乳頭)や乳輪が大きくなると、モントゴメリー腺も増えたり大きくなったように感じるケースがあります。
ここから出る分泌物は、細菌の増殖を防いだり、保護作用によって乳首(乳頭)周りを乾燥や刺激から守っています。生まれた赤ちゃんの嗅覚を刺激して母乳へ導く役割もあります。
授乳期が終わると、ブツブツも自然に目立たなくなっていくでしょう。
乳口炎の可能性
乳首(乳頭)にポツンとできる白いニキビのようなものは、乳口炎の可能性が高いでしょう。白斑、乳栓とも呼ばれます。母乳の出口である乳口が詰まってしまう現象で、痛みを伴うことが多く、白いカスが詰まったり、透明な水泡ができることもあります。
妊娠中の場合は、1週間程度で自然に改善することが多いので、まずは様子をみましょう。痛みが強い場合は産婦人科や皮膚科を受診してください。
3.【授乳期】に乳首のヒリヒリ・痛みが起こる原因

産後は、1日に何度も授乳を繰り返すうちに、赤ちゃんが吸いつく刺激や、唾液、母乳の刺激によって、乳首(乳頭)がヒリヒリしたり、痛みを覚える人が多くいます。
もともと乳首(乳頭)は皮膚が薄くデリケートな部位です。妊娠によって肌が乾燥しやすく敏感になっているところに、産後は授乳による刺激が加わるため、痛みが生じる可能性が高いのです。
特に授乳が始まったばかりの頃は、ママの乳首(乳頭)がまだ固かったり、赤ちゃんの吸い方がおぼつかないものです。特に、赤ちゃんのおっぱいのくわえ方が浅いと乳首(乳頭)が傷つきやすくなります。
4.黒ずみ、ブツブツ、ヒリヒリ…乳首トラブルのケア方法

◼︎黒ずみ・ブツブツのケア方法
黒ずみやモントゴメリー腺のブツブツは、主にホルモンの影響による現象なので、基本的には「落ち着くのを待つ」形になります。ですが、摩擦による黒ずみを増やさない、ブツブツを荒れさせないという意味で、やはり日々の保湿ケアが大切です。肌をすこやかに保つケアを続けながら時期を待ちましょう。
乳口炎は、残乳によるつまりが原因なので、赤ちゃんにたくさん吸ってもらうことで改善します。乳口炎ができている方のおっぱいから飲ませること、赤ちゃんに乳輪部まで深くくわえさせること、いろんな角度からまんべんなく吸わせることを心がけます。乳首(乳頭)が固いうちは授乳前のもみほぐしも有効です。
痛みがあり授乳が難しいこともあります。そんな時はまず助産師に相談して飲み方・飲ませ方を改善してみましょう。痛みが強い場合は搾乳を定期的にして母乳の分泌をキープして、痛みが治まってから授乳する方法もあります。
それでも痛みがあり、授乳が難しい場合は、助産師に早めに相談してください。悪化すると乳腺炎を起こすこともあるので、ひどくならないうちに受診をおすすめします。
▶関連記事:乳首・乳頭マッサージとは?妊娠中のやり方・時期・陣痛との関係も解説【助産師監修】
■ヒリヒリ・痛みのケア方法
乳首(乳頭)のヒリヒリ感は、日常のなかで摩擦や刺激をできるだけ避け、保湿ケアで肌のコンディションを整えることを目指していきます。全身の保湿に加えて、乳首(乳頭)用のケアアイテムを使って保湿・保護しましょう。こすらずにやさしくなじませることが大切です。
母乳パッドはムレに気を付けこまめに交換しましょう。汗や母乳の汚れを拭くときは、濡らしたやわらかな布やウェットティッシュで押さえ拭きする程度にとどめます。乾いたティッシュや硬いタオルでこすらないように気を付けましょう。
授乳期の乳首(乳頭)の痛みの原因は、授乳姿勢や赤ちゃんの吸い方によるものが多いです。ひとりで授乳方法を改善するのは難しいので、痛みを我慢せず、早めに助産師に相談してください。
5. 乳頭ケアアイテムを選ぶときに意識したいこと

乳首(乳頭)用の保湿ケアアイテムを選ぶときは、次のポイントを意識するとよいでしょう。
⚫︎産前産後のデリケートな肌のための低刺激設計であること
⚫︎赤ちゃんの口に触れても問題ない設計であること
⚫︎乳首(乳頭)に密着するテクスチャーであること
バストの保湿は、全身の保湿ケアの一環として乳液やクリームで行います。
乳首(乳頭)用のケアアイテムは、それでも摩擦によるヒリヒリや痛みが生じる場合に使用するものなので、さらに高い保護力と密着性があるオイルタイプを選ぶのがおすすめです。無香料・無着色など、産前・産後のデリケートな肌に配慮された処方を選びましょう。特に授乳期は、赤ちゃんの口に入っても安全な成分を選んで使えば、拭き取らずにそのまま授乳できます。
▶関連記事:乳頭ケアアイテムとは?|時期別の選び方と使い方ポイント【助産師監修】
◼︎乳頭ケアにおすすめのアイテムはコチラ
◼︎バストケアにおすすめのアイテムはコチラ
6. ただれや出血を伴うときは必ず受診を
乳首(乳頭)ケアを続けても、次のような症状が気になる場合は、自己判断せず早めに受診しましょう。特に乳首(乳頭)が切れたり出血がある場合は、乳頭裂傷の可能性が高いので、医師や助産師の指示に従って、搾乳したり一時的にミルクに切り替えたり乳頭保護器を使うなど適切な対応を行うことが大切です。
・乳首(乳頭)の傷の痛みが強い
・傷が1週間以上治らない、または悪化している
・同じ場所が切れたりヒリヒリしたりを何度も繰り返す
・乳首(乳頭)が切れる、皮膚がただれている、出血している
・ジュクジュクとして分泌物がある
・片側だけ症状が続く、または悪化している
◼︎乳頭ケアにおすすめのアイテムはコチラ
◼︎バストケアにおすすめのアイテムはコチラ
7.まとめ:乳首トラブルについてのよくある質問
1
乳首や乳輪の黒ずみは産後に戻りますか?
黒ずみは、妊娠中・授乳期のホルモンバランスの変化によるものなので、産後にホルモンの分泌が落ち着くにつれて、次第に色も薄く変化していくでしょう。ただし、変化の程度には個人差があることも覚えておきましょう。
2
乳輪や乳首にできるブツブツはニキビですか?
乳輪にできるブツブツの多くは、もともとあるモントゴメリー腺が妊娠により目立ってきたものでしょう。
一方、乳首(乳頭)にできる白いニキビのようなものは、乳口炎の可能性があります。乳腺の出口で母乳が詰まってできるものなので、赤ちゃんにしっかり吸ってもらうことで改善してきます。
気になる場合、症状が悪化する場合は、自己判断で触らず、医師・助産師に相談しましょう。
3
授乳期の乳首のヒリヒリ感を抑えるにはどんなケアがいいですか?
授乳以外の刺激や摩擦を避け、乳首(乳頭)専用のケアアイテムでしっかり保湿・保護をしましょう。低刺激で、赤ちゃんの口に入ることを考えた処方アイテムがおすすめです。なじませるときもやさしく行います。強い痛みが続く場合は、医師に相談してください。
4
授乳中に乳首が切れて出血した場合はどうすればいいですか?
ほんの少量の出血で痛みがなければ、乳頭保護オイルなどのケアアイテムで保湿・保護するケアを続けても大丈夫です。
ただ、傷が深い場合や、痛みがある、ジュクジュクしている場合は、医師による処方薬で速やかに直しましょう。早めの受診をおすすめします。
監修:代田 佳恵(しろた よしえ)先生
助産師・看護師。 総合病院産婦人科勤務を経て、2003年に出張専門助産院「マミーズルームしろた」を開設。
渋谷区を中心に、母乳相談、乳房ケア、育児相談、産前産後ケアを行い、これまでに2万人以上の親子を支援している。日本マタニティヨーガ協会認定インストラクター、ベビーマッサージ認定講師、思春期保健相談士などの資格を有し、性教育講師や新生児訪問員としても活動。妊娠期から子育て期まで、一人ひとりの家族に寄り添う支援を大切にしている。








