この記事でわかること
- よだれかぶれは、赤ちゃんの多くが経験する口まわりの肌荒れ。よだれや食べこぼしの刺激で、バリア機能が未熟な肌が荒れてしまうのが主な原因です。
- 離乳食期に増える口まわりの肌荒れは、よだれや食べこぼし(食べ物そのもの)の刺激が主な原因になることが多いといわれています。
- 予防とケアの基本は「毎日の保湿」「食事前の保護」「1日1回の洗浄」の3つ。順番を守って続けることが肌バリアを守るポイントです。
- 赤み・ぶつぶつ・じゅくじゅくなど肌荒れのサインに気づいたら早めにケアを。悪化する前に整えておくことが何より大切です。
監修:布施 明美先生
医療法人産育会 堀病院 副院長兼看護部長。助産師/認定看護管理者。周産期医療、母子保健、助産師教育を専門とし、母子の健康支援と周産期医療の質向上に長年取り組む。
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1. よだれかぶれとは?赤ちゃんに多い肌トラブルの基礎知識

よだれかぶれとは、赤ちゃんの口のまわりに唾液や食べこぼしが長時間触れることで起こる、刺激性の肌荒れです。
よだれの量が増え始める生後3〜4ヶ月ごろから見られるようになり、離乳食がスタートする生後5〜6ヶ月以降は増える傾向にあるとされています。歯が生え始める時期も、よだれが多くなりやすいタイミングのひとつです。
赤ちゃんの肌は、外部からの刺激を防ぐバリア機能がまだ十分に育っていません。肌はカサカサ状態で、そんな肌によだれや食べこぼしが入り込むことで、赤み・ぶつぶつなどのトラブルにつながりやすくなります。
「よだれかぶれ」という名前がついていますが、実際にはよだれだけでなく、ミルクや離乳食の食べこぼしなど、口まわりに触れるさまざまな刺激が重なって起こることも多いといわれています。
2. 赤ちゃんのよだれかぶれの症状って?炎症が出たら早めに受診を
よだれかぶれの症状は、軽度であれば口のまわりやあごに、うっすらとした赤みが見られます。肌がカサカサと乾燥し、わずかにざらつきを感じることもあります。
さらに症状が進むと、赤みの範囲が広がり、小さなぶつぶつ(丘疹)が出てくることがあります。かゆみを伴うことも多く、赤ちゃんが顔をこすったり、機嫌が悪くなったりする様子が見られる場合もあります。
赤みや湿疹、かゆみは肌の炎症であり、治療が必要です。スキンケアはあくまで日々の予防ケアの役割ですから、炎症が起こったときは早めに皮膚科を受診して、お薬での適切な治療を行いましょう。
赤みや湿疹、かゆみの状態からさらに悪化すると、肌がじゅくじゅくとただれたり、ひび割れが起きたり、出血や汁が出ることもあります。赤ちゃんのためにも、早めの受診を心がけましょう。
症状が出やすい部位は、口のまわり・あご・首のしわの間など、よだれや食べこぼしが溜まりやすい場所です。ただし、赤ちゃんは肌荒れを起こしやすく、「顔の湿疹や赤み=よだれかぶれ」というわけではありません。自己判断で「これはよだれかぶれ」「これはアトピー性皮膚炎」というように決めつけるのはNGです。肌に炎症が出たら、まずは医師に相談しましょう。
3. よだれかぶれが起こる原因
よだれかぶれがなぜ起こるのか、そのメカニズムを見ていきましょう。
■ よだれに含まれる消化酵素が刺激になる
よだれには、食べ物の消化を助ける消化酵素が含まれています(※)。この酵素などが、まだ薄くデリケートな赤ちゃんの肌の刺激となり、肌のバリア機能がダメージを受け、炎症につながりやすくなるといわれています。
(※)消化酵素とは・・・食べ物を分解し、体に吸収しやすい形に変える物質のこと。
■よだれが肌に広がりやすい
赤ちゃんは口まわりの筋肉の発達が未熟なため、よだれをうまく飲み込んだり、口を閉じたりすることが難しく、よだれが口から垂れやすい状態にあります。指しゃぶりやおしゃぶりで、よだれが指や手など広範囲に広がることも刺激の原因のひとつです。
■ 抱っこ時の摩擦も見逃せないポイント
抱っこをするとき、ママ・パパの衣服の繊維がよだれと合わさることで、肌への摩擦刺激が加わり、肌荒れが悪化するケースもあるといわれています。よだれで湿った状態の口まわりが衣服とこすれることで、乾燥や赤みがさらに強くなることもあります。口まわりを清潔に立つだけでなく、赤ちゃんを抱っこする大人の衣服にも気を配ることが大切です。
4. 離乳食で口まわりのかぶれが増えるのはなぜ?

離乳食がはじまる時期になると、口まわりのかぶれが増えたと感じるママ・パパも多いのではないでしょうか。
離乳食期の口まわりトラブルは、「よだれ」だけでなく、口のまわりについた食べこぼし(食べ物自体)が刺激になっているケースが多いといわれています。
また、離乳食を食べたあとに口のまわりを拭くとき、ゴシゴシとこすってしまうと、その摩擦自体が肌への刺激になり、肌トラブルの原因となることもあります。食べこぼしを拭き取るときは、やわらかい布のおしぼりかウェットティッシュなどでポンポンと押さえるようにやさしく拭き取ってあげましょう。
離乳食を食べる前に口まわりを保護しておくケアも、この時期には特におすすめです。詳しいケア方法は、次の章で詳しくご紹介します。
5. よだれかぶれ予防のための毎日のケア方法
よだれかぶれを防ぎ、繰り返さないためには、日々のケアの積み重ねがとても大切です。ここでは、毎日実践できる3つのポイントをご紹介します。
■ ポイント① 毎日の保湿ケアで肌のバリア機能を高める
肌がうるおっている状態は、外部からの刺激をブロックしやすい状態でもあります。お風呂上がりや肌を拭いた後は、保湿乳液やクリームでたっぷり保湿ケアをしましょう。肌のうるおいをキープしておくことが、よだれや食べこぼしの刺激を受けにくい肌づくりの土台になります。
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乾燥しやすい赤ちゃんの肌にうるおいを与えるクリームタイプ。しっとりうるおうのにベタつかない使い心地で、口まわりのデリケートな部分にも使いやすいアイテムです。
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■ ポイント② 食事前の保護クリームで刺激から肌を守る
離乳食や授乳の前に、口まわりを保護クリームでカバーしておくと、よだれや食べこぼしが直接肌に触れるのを防ぎやすくなります。ワセリンも保護ケアの選択肢のひとつですが、ベタつきが気になったり、洗浄料を使わないとしっかり落としにくかったりする面もあります。毎日使いやすい保護クリームなどを取り入れるのもおすすめです。
なお、保護ケアはうるおいのない乾燥した肌の上に行うと、かえって刺激がこもりやすくなるといわれています。保護クリームを塗る前には、必ず保湿を済ませておくようにしましょう。
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肌の上にピタッと密着し、よだれや食べ物の刺激が肌に入り込むのをガードする保護クリーム。水はしっかりはじきながら、洗浄料できちんと落とせる処方なので、毎日の食事前ケアとして取り入れやすいアイテムです。
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■ ポイント③ 1日1回、顔も洗浄料できれいに洗う
口まわりの汚れは、拭き取るだけでは落としきれないこともあります。1日1回は、赤ちゃん用の洗浄料を使って顔もしっかり洗ってあげましょう。ただし、洗浄力が強すぎる洗浄料は、必要なうるおいまで奪ってしまうことがあるため、低刺激で赤ちゃんの肌にやさしい洗浄成分のものを選ぶことも大切なポイントです。
■ 毎日の口まわりケアは、食物アレルギー予防にもつながる可能性が
乾燥状態、湿疹などの肌トラブルのある肌は、肌から食物アレルゲンなどが体内に入る「経皮感作」が起こりやすくなり、こうした「経皮感作」は、食物アレルギー発症との関連があると考えられています。よだれかぶれの予防ケアで口まわりの肌を整えておくことは、赤ちゃんのすこやかな成長のためにもとても大切な習慣といえるでしょう。

口まわりのケアとアレルギー予防の関係について、くわしくはこちらの記事もご覧ください。
▶関連記事:【小児科医監修】お口まわりのケアが、アレルギー予防になるって本当?
6. よだれかぶれがひどい・治らないときは?
赤みやぶつぶつなどのサインに気づいたら、様子を見すぎずに、早めに小児科や皮膚科に相談し、きちんと整えておくことをおすすめします。
特に、下記のような状態が見られるときは、早めの受診を検討してください。
- すでに赤みやぶつぶつなどの症状が出ている
- じゅくじゅくとした状態や、ひび割れ・出血が見られる
- 赤ちゃんがかゆがって頻繁に顔をこすっている
- 発熱や機嫌の悪さなど、肌以外の症状も気になる
- 口まわり以外の全身にも、似たような症状が広がっている
大切なのは肌荒れ(湿疹)のない状態を保っておくことですが、肌荒れしてしまった場合は、悪化してからケアを始めるよりも、小さなサインの段階できちんと整えておくほうが赤ちゃんの負担も少なく済みます。「これくらいなら大丈夫かな」と様子を見続けるのではなく、気になったタイミングで早めにケアを見直したり、専門家に相談したりすることを心がけましょう。

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7. まとめ:よだれかぶれに関するよくある質問
1
よだれかぶれに市販薬を使ってもいいですか?
湿疹がよだれかぶれであるとは限りません。口まわりにぬるときに舐めてしまうことも考えられます。市販のステロイド外用薬等を自己判断で使用するは避けて、小児科・皮膚科に相談をしましょう。
2
ミルクかぶれとよだれかぶれは違うものですか?
皮膚の症状そのものに、明確な違いがあるわけではないといわれています。「よだれかぶれ」は、よだれだけでなく、ミルクや離乳食の食べこぼしなど、口まわりに触れるさまざまな刺激による肌荒れの総称として使われることが多い言葉です。原因となるものが違っても、ケアの基本的な考え方は共通しています。
3
よだれかぶれと食物アレルギーの見分け方はありますか?
見た目だけで判断はできませんし、顔の湿疹はよだれかぶれや食物アレルギー以外にも原因はさまざま考えられます。自己判断せず医師に相談しましょう。
4
よだれかぶれはいつまで続きますか?
よだれの量が増える生後3〜6ヶ月ごろから見られはじめ、離乳食が進む時期にかけて気になる方が多い傾向にあります。よだれの量が落ち着く1〜3歳ごろには、自然と起こりにくくなっていくといわれています。(※個人差があります)
監修:布施 明美先生
医療法人産育会 堀病院 副院長兼看護部長。助産師/認定看護管理者。周産期医療、母子保健、助産師教育を専門とし、母子の健康支援と周産期医療の質向上に長年取り組む。
1980年より神奈川県立病院、母子保健センター、県立看護専門学校で母性看護学教員として勤務。2014年神奈川県立こども医療センター母性病棟・NICU病棟看護科長、2017年周産期センター副センター長兼副看護局長を経て、2020年より堀病院看護部長、2022年より副院長兼看護部長。日本助産師会総務理事、日本助産評価機構理事、産科医療補償制度再発防止委員など歴任し、2026年より神奈川県助産師会会長。








