この記事でわかること
- 妊娠線は、おなかが短期間で大きくなる変化に皮膚の伸びが追いつかず、皮膚の奥の真皮が裂けてできる「肌のひび割れ」です。
- 妊娠線はおなかがグンと大きくなる妊娠後期にできる人が多いですが、妊娠線がいつからできるかには個人差があり、早い方では妊娠4ヶ月頃から妊娠線ができてしまうこともあります。
- おなかだけでなく、胸・太もも・おしり・二の腕など、脂肪がつきやすい部位にもできることがあります。
- 乾燥肌・体重増加のスピード・多胎妊娠・経産婦かどうかなどによって、妊娠線ができやすい人の傾向は変わりますが、同じ条件でも妊娠線ができない人もいます。
- 妊娠線は一度できると、自然に完全に消えることはないとされているため、妊娠中の早い段階からの保湿ケアなどが大切です。
監修:代田 佳恵(しろた よしえ)先生
助産師・看護師。 総合病院産婦人科勤務を経て、2003年に出張専門助産院「マミーズルームしろた」を開設。
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1.妊娠線とは? できる原因と仕組み

おなかが少しずつ大きくなってくると、体の変化にともなうさまざまな悩みも多くなる時期です。よくある心配のひとつが妊娠線。「そもそも妊娠線って何?」「なぜできるの?」と気になり始める方も多いのではないでしょうか。
妊娠線とは、妊娠にともなう体型の急激な変化に、皮膚の伸びが追いつかなくなることで生じる「肌のひび割れ」のような線のこと。皮膚は、表面側から「表皮」「真皮」「皮下組織」という3層でできています。表皮はやわらかく伸びやすい層ですが、その下にある真皮は、コラーゲンなどを含み弾力を保つ役割を担う一方で、急な伸びにはあまり強くありません。おなかが短期間で大きくなると、皮下組織の脂肪が増えて表皮・真皮が引っ張られ、伸びについていけなくなった真皮が部分的に裂けてしまう。これが妊娠線の正体です。

出始めのころは赤みやピンク色を帯びていることが多く、産後は白っぽく残ることが多いです(色や見た目の変化には個人差があります)。
2.妊娠線はいつからできる?
妊娠線はいつからできるのか、気になっている方は多いはずです。一般的には、おなかが大きくなり始める妊娠中期以降にできやすいとされていますが、早い方では妊娠4ヶ月頃から妊娠線ができ始めることもあります。
妊娠線ができたことがある方にアンケート調査した結果では、おなかがぐっと大きくなる妊娠8~10ヶ月頃が、妊娠線ができたピークタイミングでした。ただ、早い人は妊娠3~4ヶ月でできることも。時期には個人差があるため、「まだ大丈夫」と油断せず、早めの保湿ケアを意識しておくと安心です。おなかが大きくなってきて、見えにくいおへそより下にできやすいので、アンダーヘアからおへそまでをよりしっかり保湿しましょう。

■気づきやすい見た目の変化
妊娠線の初期の段階、つまり妊娠線できかけのサインとしては、皮膚がつっぱるような感覚や、うっすらとした赤み・ピンク色の線が挙げられます。妊娠線のでき始めの色としては赤紫〜ピンク系であることが多いとされ、時間の経過とともに色調が変化していく場合があります。ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、線の状態から重症度や進行具合を判断できるものではありません。肌の変化が気になったときは、早めの保湿ケアを続けながら、心配なことがあれば産婦人科医に相談することをおすすめします。
3.妊娠線はどこにできる?
「妊娠線=おなか」というイメージを持つ方が多いですが、実は妊娠線は以下の部位にもできることがあります。
- 胸(バスト)
- 太もも・内太もも
- おしり・腰
- 二の腕
- 脇
妊娠中に脂肪がつきやすい部位は、皮膚が引っ張られやすく、妊娠線ができやすい傾向があるためです。

「おなか以外にもできるとは知らなかった」という方も少なくありません。胸(バスト)・太もも・おしりなど、部位ごとのケアポイントについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
▶関連記事:妊娠線は胸や太ももにもできるってホント?おなか以外の部位別ケア【助産師監修】
4.妊娠線ができやすい人の特徴
妊娠線は、妊娠したすべての方にできるわけではありません。妊娠線ができやすい人には、いくつかの傾向があるとされています。
■できやすいとされる傾向
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乾燥肌の方:皮膚の柔軟性が低くなり、伸びに耐えにくくなるため
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体重増加のスピードが速い方:皮下脂肪の増え方が急なほど、皮膚への負担が大きくなるため
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多胎妊娠(双子・三つ子など)の方:単胎に比べておなかが大きく伸びやすいため
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経産婦の方:以前の妊娠で皮膚が伸びやすくなっている場合があるため
-
体格が小柄な方:もともとの皮膚の面積に対して、おなかの変化が大きくなりやすいため
■妊娠線ができない人もいる?
一方で、これらの傾向に当てはまっていても妊娠線ができない人がいるのも事実です。妊娠線のできやすさには、体質や肌のコンディション、体重の増え方など複数の要因が関わっており、「必ずできる」「絶対にできない」と言い切れるものではありません。できるかどうかにかかわらず、皮膚をすこやかに保つ保湿ケアは、乾燥や肌トラブルの予防にもつながる基本的な習慣としておすすめです。
■妊娠線の見え方には個人差がある
「ひどい妊娠線」という言葉で検索される方もいるようですが、妊娠線が現れる範囲や本数、色の濃さには個人差があり、体重の増え方や肌質、ケアの状況などさまざまな要因が影響すると考えられています。特定の状態を指して判断できるものではないため、見た目の比較で不安を感じすぎず、気になることがあれば産婦人科医に相談しながら、ご自身のペースでケアを続けていきましょう。
5.妊娠線と正中線の違い

おなかにできる茶色っぽい縦線を見て、「これが妊娠線?」と勘違いされる方も少なくありません。実はこれは「正中線(せいちゅうせん)」と呼ばれる別のものです。
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妊娠線 |
正中線 |
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原因 |
皮膚の伸びに真皮が耐えられず裂けることで生じる |
メラニン色素の沈着によるもの |
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現れる場所 |
おなか・胸(バスト)・太もも・おしりなど複数の部位 |
おへその下から恥骨にかけての縦一本の線 |
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産後の変化 |
白っぽくなり目立ちにくくなることはあるが、自然に完全に消えることはない |
産後、時間の経過とともに自然に薄くなっていくことが多い |
正中線は、もともと誰もが持っている体の中心線が、妊娠中のホルモンバランスの変化によって色素沈着し、目立つようになったものです。妊娠線とは仕組みが全く異なるため、混同しないように整理しておきましょう。普段から妊娠線をケアされている方には、正中線の黒い線やおへその形の変形などにびっくりされる方も多いのですが、産後だんだん薄くなりますし、おへそももとに戻ります。
6.妊娠線が気になりやすい時期とは?
妊娠中は、時期によって体の変化のスピードが異なります。妊娠線が気になりやすい時期は妊娠中期と後期。それぞれの時期にどのような変化が起こりやすいかを知っておくと、ケアのタイミングを考えるヒントになります。
■妊娠初期(〜15週頃)
おなかの大きさの変化はまだ緩やかな時期ですが、この後の急激なおなかの変化に対応できるよう、妊娠ボディケアを始めておくのがおすすめです。この段階からおなかを中心に全身ケアの習慣を整えておくと、後の変化にも備えやすくなります。
■妊娠中期(16〜27週頃)
おなかがふっくらと目立ち始め、皮膚の伸びも徐々に大きくなっていく時期です。バストの変化を感じ始める方も多く、おなか以外のケアも意識したいタイミングです。朝晩2回、全身のボディケアを行いましょう。
■妊娠後期(28週〜出産まで)
おなかが最も大きくなり、皮膚の伸びが急激に進みやすい時期です。太ももや下腹部など、自分では見えない部分も念入りにケアを。体重が増えるスピードも上がりやすいため、ボディケアを継続しながら、体重管理にも気を配りたい時期といえます。
いずれの時期も、「今の時期は皮膚がどう変化しやすいか」を意識しながらケアを続けることが、無理のない予防習慣につながります。
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7.妊娠線のケアはいつから始めるべき?

妊娠線は、できてから完全に消すことが難しいとされているため、できる前から以下のようなケアを始めることが大切です。
- 皮膚の乾燥を防ぐため、おなかをはじめ、全身の保湿ケアを続ける(敏感になりやすく、急激にサイズアップする妊娠中の肌の変化を考えたマタニティ専用アイテムがおすすめです)
- 体重が急激に増えすぎないよう、ゆるやかなペースを意識する
具体的な妊娠線予防ケアの習慣や、ケアアイテムの選び方や塗り方については、以下の記事で詳しく紹介しています。
▶関連記事:妊娠線予防はいつから始める?早めに始めたいケアの基本【助産師監修】
▶関連記事:妊娠線が気になる時期…。クリームやオイルの選び方・塗り方のコツ【助産師監修】
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8. 妊娠線についてのよくある質問
1
妊娠線はいつから出始めますか?
妊娠中期以降にできやすいとされていますが、早い方では妊娠4ヶ月頃から妊娠線ができ始めることもあります。できる時期には個人差があるため、早めのケアを意識しておくと安心です。
2
妊娠線ができない人もいますか?
はい、できない方もいます。妊娠線のできやすさは体質や肌のコンディション、体重の増え方などさまざまな要因が関わるため、妊娠したすべての方に必ずできるものではありません。逆に言えば、「これをすれば絶対に妊娠線ができない」という方法もありません。急激な体重増加をしないように気をつけながら、肌のうるおい・弾力・柔軟性を高めておくようにしましょう。
3
妊娠線と正中線はどう違いますか?
妊娠線は皮膚の伸びに真皮が耐えられず裂けることで生じるのに対し、正中線はメラニン色素の沈着による線です。正中線は産後、時間とともに自然と薄くなっていくことが多いとされています。
4
双子など多胎妊娠の場合、妊娠線はできやすくなりますか?
単胎妊娠に比べておなかが大きく伸びやすいため、多胎妊娠の方は妊娠線ができやすい傾向があるとされています。
5
妊娠していないのに、肉割れのような線ができることはありますか?
はい。妊娠線と似た線は、成長期の急激な身長・体重の変化など、妊娠以外の急な体型変化でも生じることがあります。いずれも仕組みは共通しており、皮膚の伸びに真皮が追いつかないことで生じます。
監修:代田 佳恵(しろた よしえ)先生
助産師・看護師。 総合病院産婦人科勤務を経て、2003年に出張専門助産院「マミーズルームしろた」を開設。
渋谷区を中心に、母乳相談、乳房ケア、育児相談、産前産後ケアを行い、これまでに2万人以上の親子を支援している。日本マタニティヨーガ協会認定インストラクター、ベビーマッサージ認定講師、思春期保健相談士などの資格を有し、性教育講師や新生児訪問員としても活動。妊娠期から子育て期まで、一人ひとりの家族に寄り添う支援を大切にしている。








