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ベビー(赤ちゃん)

2024.03.15

【医師監修】乳児のアレルギー、「症状」や「予防方法」って?スキンケアとアレルギーの関係も解説!

【医師監修】乳児のアレルギー、「症状」や「予防方法」って?スキンケアとアレルギーの関係も解説!

【医師監修】乳児に多いアレルギーについて徹底解説。赤ちゃんのための適切なスキンケアや、離乳食をスタートするときのポイントなどをご紹介します。

赤ちゃんと一緒の日々は、毎日慌ただしく過ぎていきます。発疹をはじめとする肌トラブルへの対処や、離乳食の準備など、ママやパパが考えることは盛りだくさん。こうした中、赤ちゃんのアレルギーについて、不安に思っている人も多いのではないでしょうか。

アレルギーにはさまざまな種類があり、赤ちゃんから大人まで、誰でも発症する可能性があります。乳児期は特に食物アレルギーやアトピー性皮膚炎などが多く見られるため、これらのアレルギーについて前もって理解できれば、安心して育児に取り組めますね。

今回は、乳児に多いアレルギーについて徹底解説。赤ちゃんのための適切なスキンケアや、離乳食をスタートするときのポイントなどをご紹介します。

監修:杉山剛 先生(小児科専門医、アレルギー科専門医)

尾張こどもの睡眠・呼吸・アレルギークリニック 院長。赤ちゃんの肌トラブルを予防する「スキンケア沐浴」を提唱。生まれてすぐからのスキンケアを啓発している。
著書『これが最新 赤ちゃんのスキンケアがよくわかる本』主婦の友社(2016)

1.赤ちゃんに現れやすいアレルギーについて知ろう

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アレルギーとは、体の中の免疫機能が異常を起こし、湿疹やじんましん、くしゃみ、呼吸困難などさまざまな症状を引き起こす体の反応です。アレルギーにはいくつもの種類があり、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などが挙げられます。
今回の記事では赤ちゃんが引き起こしやすい2つのアレルギー、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎について解説します。

食物アレルギーとは?

食物アレルギーとは、食べ物の中に含まれる「アレルギーの原因物質(アレルゲン)」に対して、体が過剰な免疫反応を起こすことです。

「免疫」とは、ウィルスや細菌などの感染症から体を守るために備わっている大切な機能です。しかし、この免疫機能や消化吸収の働きに何らかのトラブルが起こると、体が食べ物に含まれる物質を有害なものと勘違いしてしまい、食物アレルギーを引き起こすと考えられています。

どの食品に対して食物アレルギーを起こすかは患者さんによって異なりますが、頻度が高いのは卵や乳製品、小麦などから大豆や木の実、果物などが挙げられ、食品で食物アレルギーが起こる可能性があります。

嘔吐に咳に湿疹…食物アレルギーの症状

食物アレルギーでは、皮膚が赤くなる紅斑や、じんましんなどの皮膚症状、咳や息苦しさなどの呼吸器症状、下痢や嘔吐、腹痛のような消化器症状などが起こります。

赤ちゃんに食物アレルギーが起きた場合は、アレルゲンとなる食べ物を食べてから30分前後に口のまわりが赤くなったり、腫れたりかゆがったり、咳や下痢などが見られたりする症状で始まることもが多いです。

じんましんや咳、嘔吐など複数の症状が複数の臓器に重なって出現することをアナフィラキシーといい、意識状態や血圧が低下すると「アナフィラキシーショック」という命に関わる状態に進展する可能性もあります。そのため、「アナフィラキシーかな?」と思ったらすぐに病院を受診しましょう。

食物アレルギーは治るの?

アレルギーの原因物質や個人によって、治りやすさや治るまでの期間は異なりますが、乳児期に多く見られる卵、牛乳、小麦、大豆による食物アレルギーは、小学生になるまでによくなるケースが半数前後といわれています。

しかし、「放っておいてもいずれはよくなる」と過信したり、反対に怖がって卵などをむやみに避けたりすることは、共によくありません。

医師の指導のもと、適切な検査や問診から正しい診断に基づく必要最低限の食物除去を行い、ときには栄養士さんの指導も受けながらしっかりとした栄養計画を立てることが必要です。

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎とは、かゆみをともなう湿疹などの皮膚症状が長期間にわたってくり返される状態をいいます。乳幼児の場合は、顔や頭、首、耳の付け根、手足の関節の内側などに症状が出るケースが多いです。

アトピー性皮膚炎は、湿疹や強いかゆみが出ることも多く、我慢できずにかきむしってしまうと、さらに湿疹が傷ついて悪化するという悪循環に陥りやすいので注意が必要です。

また、一旦症状が改善しても正しい治療やスキンケアを行わないと何度もぶり返してしまったり、よくなったり悪くなったりをくり返す場合もあります。

アトピー性皮膚炎は「乾燥などによる皮膚のバリア機能の低下」「かゆみ」「アレルギー体質」の3つの要素お互いに影響し合いながら進行・悪化すると考えられており、保湿などのスキンケアがアトピー性皮膚炎の予防や治療において重要な役割を果たすといわれています。

2.肌荒れは食物アレルギーを引き起こしやすくする?

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食物アレルギーにおいても、バリア機能の低下した皮膚から食物などのアレルゲンが侵入することで、アレルギーを発症する可能性があることがわかってきました。

特に、生まれたばかりの赤ちゃんは、皮膚が薄くバリア機能も未発達です。乾燥や皮膚トラブルなどによりバリア機能が低下しやすいため、皮膚からアレルゲンが侵入し、アレルギーを発症する経皮感作を引き起こすことがあります。

このように、食物アレルギーの発症には、食べるばかりではなく経皮感作も関係しています。アレルギーの発症を予防するには、肌荒れなどの皮膚トラブルを防ぐことが大切で具体的には、アレルゲンとなる食べ物を肌から侵入させにくくするスキンケアが重要とみられます。

3.乳児のアレルギーの発症予防のひとつとして、「スキンケア」が注目されています!

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これまでお伝えしたように、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどの乳児のアレルギー発症には、経皮感作も関係することがあります。そのため、乳児期からのスキンケアにより肌トラブルを予防し、皮膚のバリア機能を高めることがアレルギーの発症予防に重要と考えられるようになりました。

こうした考えがある一方、「赤ちゃんにはスキンケアをしないほうがいい」という話も耳にします。やわらかくデリケートな赤ちゃんの肌。せっけんで保湿成分(皮脂)を洗い流してしまったり、保湿クリームやローションをぬったりすることが、かえって肌に負担がかかるのではと心配される人もいるでしょう。

しかし、2022年に開催された第59回日本小児アレルギー学会学術大会では、新生児期からスキンケアをおこなった赤ちゃんは、そうでない場合とくらべ1歳時点でのアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの発症が極めて少なかったという研究結果が報告されています(※1)。

市販されている保湿剤にはさまざまな種類があるため、一概に「とにかく保湿をすればOK」ということはできません。しかし、安全性の高い保湿剤を使って出生早期から正しくスキンケアをすることは、乳児アレルギーを予防するうえでも効果的といえるでしょう。

(※1)第59回日本小児アレルギー学会学術大会「乳児期皮膚バリア機能とアレルゲン感作に関する観察研究(Fukushima study)」

研究チーム
・いちかわクリニック 市川陽子先生、市川文隆先生
・千葉大学予防医学センター/ わんぱくクリニック 下条直樹先生
・秋田大学 大学院医学系研究科(医学専攻など) 医学専攻 機能展開医学系 皮膚科学・形成外科学講座 河野通浩先生
・慶應義塾大学病院 臨床研究推進センター 竹村亮先生
・大阪大学免疫フロンティア研究センター 皮膚免疫学 松岡悠美先生
・株式会社ナチュラルサイエンス 研究開発部学術開発課 田中聖子、小谷野豊、藤浪未沙
乳児期皮膚バリア機能とアレルゲン感作に関する観察研究(Fukushima study)

「ママ&キッズ」製品で生後早期からスキンケアをおこなった結果、1歳時点でのアトピー性皮膚炎・食物アレルギー発症が極めて少なかったという結果に!|ナチュラルサイエンス

4.赤ちゃんには安全性の高いアイテムで正しいスキンケアを

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大切な赤ちゃんの肌に使うスキンケア製品は、安全性の高い商品を選びたいですね。オーガニックや無添加の製品にこだわりがある人も多いですが、イギリスではピーナッツオイルを使っていた赤ちゃんは将来ピーナツアレルギーを発症するリスクが高かった、という報告もあります(※2)。

植物や食べ物の純度が高いものほど、経皮感作のリスクが高まるとも考えられるので、アレルゲンの除去された安全性が確認されている製品を選び、正しいケアをすることが大切です。

ママ&キッズでは、小児皮膚科やアレルギー科の専門医の協力のもと、赤ちゃんの肌を徹底的に研究し、安全性にこだわった製品づくりを行っています。皮膚アレルギーテストや食物アレルギーテストをはじめとする各種安全性試験実施済みで、生後すぐから使えますよ(※3)。

<ママ&キッズのスキンケアアイテム>

(※2)The New England Journal Of Medicine「https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa013536?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori%3Arid%3Acrossref.org&rfr_dat=cr_pub++0www.ncbi.nlm.nih.gov

(※3) すべての人にアレルギーが起こらないわけではありません。

正しいケア方法 洗う編

赤ちゃんの頭皮やTゾーンは皮脂の分泌量が多くてベタつきやすく、体は汗やうんちで汚れがち。少なくとも1日に1回は、体と頭皮、それぞれ専用のヘアシャンプーやボディシャンプーでしっかり汚れを落としましょう。特に頭皮は過剰な皮脂をしっかり落とさないと、ニオイや脂漏性湿疹の原因になってしまいます。

ただし、成人用のシャンプーやボディシャンプーを使うのはNGです。接触皮膚炎の原因となる保存料などが含まれている場合もあるため、赤ちゃんには必ず赤ちゃん用の製品を使いましょう。

また固形せっけんはアルカリ性なので避け、弱酸性の液体タイプや泡タイプの肌にやさしいものを使うことも大切です。

頭を洗うときのポイント

指の腹を使って頭皮専用シャンプーでやさしく丁寧に洗いましょう。すすぎはやさしい水圧のシャワーで、泡と汚れをしっかりと洗い流すことが重要です。

ママ&キッズ ベビーヘアシャンプー」は、繊細な泡で赤ちゃんの絡まりやすい髪の毛もするんと洗い上げます。安全性の高い処方なので、目に入ってもしみにくく、口に入っても安心です。

体を洗うときのポイント

ママ&キッズ ベビー全身シャンプー」をたっぷり手に取り、泡をやさしく転がすように洗います。耳のうしろや背中、脇腹、太ももの付け根などは、洗い忘れてしまいがちなので注意してくださいね。全身を泡で洗ったら、やさしい水圧のシャワーでよく流します。

顔もよだれや食べかすで汚れているため、必ず泡を使って洗います。手早く洗ったら、泡が残らないようにやさしい水圧のシャワーで十分に流しましょう。

最後にタオルをそっと押し当て、肌の水気をふき取ります。洗った後には、5分以内の保湿を心がけてくださいね。

正しいケア方法 保湿編

赤ちゃんの肌はうるおって見えますが、表皮は大人にくらべてとても薄く未熟です。うるおいが逃げやすくカサカサ状態になりやすいので、しっかり保湿してあげましょう。特にほほや顎は乾燥しやすいので注意が必要です。

入浴後や朝、そして乾燥が気になるときには、適量の保湿剤を手に取って、赤ちゃんの顔や全身にたっぷりなじませます。特に、顔やおしりは何度も汚れを拭くので乾燥しやすい部分です。汚れを拭き取ったときは、必ずそのあとに保湿することを心がけてくださいね。

全身に 塗る保湿剤としては、のびのよい「ママ&キッズ ベビーミルキーローション」が適しています。冬場など、特に乾燥が気になるときには「ママ&キッズ ベビーミルキークリーム」を使うのもおすすめです。

5.ここが気になる!乳児食物アレルギーのQ&A

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赤ちゃんの食物アレルギーについて、よくある疑問をQ&A方式でお答えします。

Q.離乳食の開始時期を遅らせるといいというのは本当?

A.適切な時期にいろいろ食べたほうがいいといわれています

離乳食の開始を遅らせても、食物アレルギーの予防にならないといわれています。卵などを含むさまざまな食物を適切な開始時期から食べたほうが、むしろ食物アレルギーの予防につながったという報告もあるため、離乳食は適切な時期に開始していろいろな食物を取り入れていきましょう。(参照:国立成育医療研究センター)離乳食の進め方は、乳児健診やかかりつけの先生などに確認してみてください。

ただし、すでにアレルギーの症状が出ていたり、主治医の先生から指導を受けたりしている場合には、自己判断をしてはいけません。主治医に相談し、指示のとおりに離乳食を進めることが大切です。

Q.もうすぐ離乳食スタート!どんなことに気を付けるべき?

A.「平日の昼に、加熱したものを、一口ずつの少量」食べさせて

離乳食を開始するとき注意したいのは、次の4つのポイントです。

<離乳食の食べさせ方で注意すること>
・時間帯:平日の昼、1日1回からスタート
・調理法:しっかり加熱しペースト状にする(果物などが喉に詰まって窒息しないように)
・食材の順番:炭水化物からスタートし、野菜、たんぱく質へと進める
・新しい食材の足し方:はじめての食材は1日に1つまで。小さじ1杯から試す

離乳食は、最初は1日1回、小さじ1杯くらいの少量からスタートします。食べさせた後、30分くらい様子をみてアレルギー症状がないことを確認したら、徐々に増やしていきましょう。

食べさせる時間帯は平日の昼(午前中)にしましょう。かかりつけのクリニックや病院が開いている時間であれば、異変が出たときにすぐに受診できます。

一般的に離乳食の食材はお米などの炭水化物からスタートし、次は野菜、豆腐や魚などのたんぱく質へと徐々にバリエーションを増やしていきます。ただし、離乳食の進め方には個人差があるので乳児健診や予防接種のときなどに事前に確認しましょう。

Q.妊娠中に牛乳や卵、小麦などを食べると赤ちゃんのアレルギー発症に影響しますか?

A.影響しないといわれています。妊娠中はバランスよく食べることが大切です。

「妊娠中のママの食事が、赤ちゃんのアレルギーに影響するのでは?」と不安に思う人もいますが、そのような研究結果は報告されていません。妊娠中にアレルギーが気になる食材を避けてたとしても、赤ちゃんのアレルギー発症を抑制する効果はないといわれています。

むしろ、妊娠中に偏った食生活をしてしまうと、ママの栄養状態が悪くなるおそれがあるため注意が必要。妊娠中の体調維持のためには、健康的でバランスが取れた食事が大切です。

特定の食品を避けるのではなく、いろいろな食材を摂り入れて栄養のバランスのよい食生活を送りましょう。

6.まとめ

食物アレルギーはさまざまな食材で起こる可能性があり、アレルギーの患者さんが家族にいるなど、アレルギー体質のリスクがあるお子さんは発症の可能性が高くなります。

乳児期に発症した食物アレルギーは適切な食物除去で治るケースもありますが、正しい診断・治療のために、かかりつけの医師や専門医などを定期的に受診することが大切です。

アナフィラキシーショックを疑う症状がみられたら、迷わず病院を受診してください。意識や呼吸がおかしかったり、ぐったりしていたりする場合は、迷わず救急車を呼びましょう。

スキンケアが乳児アレルギーの予防につながるという考え方や、生まれてすぐの段階から正しい洗浄と保湿ケアを習慣づける重要性が注目されています。

赤ちゃんのスキンケアでは、アレルギー成分が除去されていて、保存料や香料の含まれていない安全性の高い商品を選ぶことも大切。セラミドなど、赤ちゃんの肌のための良質な保湿成分が配合されたスキンケア製品で、赤ちゃんの肌を毎日ケアしてあげてくださいね。

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