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ベビー(赤ちゃん)

2023.05.25

【助産師監修】頭頂部にくぼみがある?新生児落屑って?産後に慌てる前に知っておきたい「新生児のからだの特徴」

【助産師監修】頭頂部にくぼみがある?新生児落屑って?産後に慌てる前に知っておきたい「新生児のからだの特徴」

頭頂部にくぼみがある?新生児落屑って?産後に慌てる前に新生児のからだの特徴を知っておきましょう。今回は、助産師 代田佳恵先生に、新生児(生まれてすぐから4週間までの赤ちゃん)のからだの特徴やトラブルの対処法について教えていただきました。

目次

おなかの赤ちゃんとのご対面を待っているママ・パパのみなさん、ご誕生が待ち遠しいですね!一方で生まれたての赤ちゃんって、どんな状態かご存知ですか?頭部にくぼみがあったり、顔や全身の肌がポロポロとはがれ落ちる「新生児落屑」という皮むけの時期をむかえたりなど、新生児ならではのからだの特徴はさまざまです。

育児が始まってから「これって普通なの?」と慌てる前に、新生児のからだの特徴を知っておきましょう。今回は、助産師 代田佳恵先生に、新生児(生まれてすぐから4週間までの赤ちゃん)のからだの特徴やトラブルの対処法について教えていただきました。

監修
代田佳恵(助産師・看護師)
東京都渋谷区を中心に、マタニティ&産後ヨーガ、ベビーマッサージ、母乳相談など、妊娠から卒乳までのケアなどを行っている。

1.新生児の「器官の能力」ってどのくらい?

生まれたての赤ちゃんは、視力はまだぼんやり見える程度といわれています。しかし、聴覚や嗅覚はかなり発達しています。「まだちゃんと見えていないし…」なんて思わず、赤ちゃんの目を見て、たくさんスキンシップや声かけをしてあげてくださいね。

1-1.【目】視力はぼんやり…でも、見えていないわけではありません

生まれたての赤ちゃんの視力は0.01程で、暗い・明るいなどの判断はできているといわれています。まだ動くものを目で追ったり焦点を合わせることはできませんが、全く見えていないわけではありません。20~50㎝位離れたものが、認識しやすいようです。

1-2.【耳】おなかの中にいるときから音を聞いています

妊娠中から、おなかの中の赤ちゃんにたくさん話しかけていたパパ・ママも多いのでは? 赤ちゃんの聴覚は、おなかの中にいるときからかなり発達しています。産後もたくさん話しかけてくださいね。

1-3.【鼻】においをしっかり感じ取っています

鼻の機能も生まれたときにはしっかり働いていて、色々なにおいを感じ取ることができます。また、赤ちゃんの鼻の穴は小さく詰まりやすいのが特徴です。こまめにチェックして、鼻くそなどでふさがれていないか見てあげて、かたまりは綿棒でやさしく取ってあげましょうましょう。ただし、奥の鼻くそは無理に取ろうとせず出口まで出てくるのを待ってください。

1-4.【口】歯はなく、生まれてすぐおっぱいを吸います

もちろんまだ歯は生えていません。「吸てつ反射」と呼ばれる原始反射(生まれながらに備わっている反射)が備わっているため、誰に教わらなくても、生まれたその日からママのおっぱいを吸うことができます。

2.赤ちゃんの「からだの特徴」ってあるの?

「うちの赤ちゃん、頭蓋骨が割れている!?」なんて、慌てないために…。新生児のからだの特徴についても知っておきましょう。

2-1.【手足】自然に曲がっているのが、普通の状態です

腕はW型、脚はM字型に曲がっているのが、生まれたての赤ちゃんの基本スタイルです。手のひらも握りしめていることが多く、手のひらを刺激するとキュッと手を握る原始反射(掌握反射)もみられます。

2-2.【頭】頭頂部に骨のすき間あり!頭の皮脂は多めです

もともと頭の骨は1つではなく、さまざまな骨が集まってできています。生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ頭頂部の頭蓋骨がくっついておらず、「大泉門」と呼ばれるペコペコとしたへこみがあります。また、頭皮は体の10倍もの皮脂腺が集中していて、皮脂の分泌が盛んです。へこみを怖がってしっかり洗わないと、「脂漏性湿疹」と呼ばれるトラブルを起こしたりもします。

2-3.【顔】Tゾーンは皮脂分泌がさかん、でもほかの部分はカサカサ!

頭皮と同様に、Tゾーンは皮脂分泌が多め。黄色い脂の固まりや新生児ニキビと呼ばれる肌トラブルが起きることがあります。しかし、そのほかの部分は、水分も油分も少なく乾燥しがち。毎日1回は顔も体も洗浄料で洗って、保湿はこまめにおこなうことが重要です。

2-4.【体】肌の水分も油分も少なく、乾燥トラブルを起こしがち

肌がとてもデリケートで乾燥しやすいのが特徴。保湿ケアをしないでいるとカサカサと粉をふいたり、関節部分の肌が乾燥により切れてしまうことも少なくありません。顔同様、スキンケアが大切です。

2-5.【おへそ】へその緒は2週間くらいで自然に取れます

へその緒は、無理にひっぱったりしないようにしましょう。何もしなくても、2週間ほどで自然に取れます。それまでのケア方法(消毒の方法等)は、お医者さんや助産師さんによって考え方が違うこともあるので、退院前にアドバイスをもらっておきましょう。

2-6.【爪】生まれた時から伸びている子も

手も足も、生まれたときから爪が生えています。当たり前に感じますが、「こんな小さな手に爪が生えてる~!」と感動するパパも、少なくないようです。中には生まれたときには爪が伸びている赤ちゃんもいるので、生まれる前に赤ちゃん用の爪切りを用意しておくのがおすすめです。

3.赤ちゃんの肌の特徴は?

赤ちゃんの肌はやわらかくてきめ細かいので、「肌の水分も豊富そう」というイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、赤ちゃんの肌は乾燥しやすく 、肌トラブルを起こしてしまうこともあるので注意が必要です。肌トラブルをしっかり予防するためにも、赤ちゃんの肌の特徴をおさえておきましょう。

3-1.汗っかきだけど肌はカサカサ

赤ちゃんは汗っかきで、肌は乾燥しているという特徴があります。赤ちゃんのからだは大人よりも小さいけれど、汗腺の数は大人と同じ。赤ちゃんは汗腺の密度が高いため、大人の2~3倍くらいの汗をかくといわれています。そのため、赤ちゃん自身の汗の成分が肌を刺激して、湿疹などのトラブルの原因になることもあります。

また、赤ちゃんの皮膚は大人の半分くらいの厚みしかなく、肌のうるおいをキープする力が弱いという面も。頭皮やTゾーンの皮脂分泌は生後2か月ごろまでは一時的に多くなりますが、そのほかの部分は新生児期から皮脂の分泌が少なく、乾燥肌の傾向が見られます。大人の肌と比べると水分・皮脂ともに少ないため、一年を通して肌が乾燥しやすいのです。

3-2.皮膚が薄く肌トラブルが起こりやすい

赤ちゃんの皮膚はとても薄くてデリケート。大人の表皮でも約0.2mm(ラップ1枚分くらい)の厚みしかないのですが、赤ちゃんの場合はさらにその半分程度しかありません。

薄くてバリア機能が未発達な赤ちゃんの肌は、乾燥や紫外線、汚れや汗など、さまざまな刺激を受けやすい状態といえます。乳児湿疹やかぶれ、あせもなどの皮膚トラブルが起こる場合もあるので注意が必要です。

すべすべしてキメの細かい赤ちゃんの肌を見ていると、「スキンケアをしなくても大丈夫そうかな?」と思ってしまう人もいるかもしれません。しかし、デリケートな赤ちゃんの肌を守ってトラブルを予防するためにも、スキンケアが重要です。

3-3.新生児期からの正しいスキンケアが大切!

かゆみなどの肌トラブルの背景には、乾燥がかかわっている場合があります。そのため、肌トラブルを避けるためにも新生児期からの保湿ケアが重要です。

新生児期からの保湿剤の塗布によって、アトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下するという研究報告もあります。(出典:アレルギーについて|国立研究開発法人国立成育医療研究センター)。赤ちゃんのデリケートな皮膚のバリア機能を保つために、全身の保湿ケアは丁寧におこないましょう。

また、ナチュラルサイエンスが医療機関と共同で行った研究では、出生早期から正しいアイテムでスキンケアをした乳児は食物アレルギーやアトピー性皮膚炎などの発症率が極めて低かったという結果になりました。(出典:出生早期から1歳まで「ママ&キッズ」製品を指導したスキンケア方法のもと使用した乳児において、卵白に感作している児も含めアトピー性皮膚炎・食物アレルギーの発症率は極めて少ないという研究結果を発表

この結果からも、すこやかな肌を保つには赤ちゃん頃から頭やからだを正しい方法、正しいアイテムで洗浄・保湿することが大切といえます。きれいに洗ってしっかり保湿。洗浄・保湿の2つのケアで、新生児期の肌をすこやかに保ちましょう。

4.ここが気になる! 新生児のお世話Q&A

4-1.Q.肌がポロポロむけます。病気でしょうか?

A.「新生児落屑(しんせいじらくせつ)」と呼ばれる生理現象です

生まれたばかりの赤ちゃんの皮膚が「一皮むける」といった感じで肌がポロポロとはがれ落ちることがあります。これは「新生児落屑(しんせいじらくせつ)」といわれる生理現象。生まれるまではおなかの中で羊水や胎脂に守られていた皮膚が、出生後に乾燥にさらされることが大きな原因といわれています。

全身の皮膚が脱皮のようにはがれると「いつまで続くんだろう?本当に落ち着くのかな」と不安になるかもしれません。しかし、通常新生児落屑は生後1~2週間くらいでおさまることが一般的です。

昔は「一皮むけるから新生児にスキンケアは不要」と考える人も多かったようですが、前述のとおり、近年の研究では新生児のうちから保湿ケアをすることでアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの発症リスクを下げることが期待できるといわれています。すこやかな肌を維持するためにも、新生児のうちから毎日適切にスキンケアしてあげることが重要です。

こちらの記事も合わせて参考にしてみてくださいね。

  • 「ママ&キッズ」製品で生後早期からスキンケアをおこなった結果、1歳時点でのアトピー性皮膚炎・食物アレルギー発症が極めて少なかったという結果に!

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4-2.Q.新生児落屑時のスキンケアは?皮を剥いでしまったらどうしたらいい?

A.沐浴はやさしく肌をなでるように。無理に?がれて炎症が起きたら病院へ

新生児落屑を起こしている時期も、引き続き保湿ケアや沐浴による洗浄をおこなって赤ちゃんの肌をすこやかに保ち、皮が自然にはがれるのを待ちましょう。沐浴するときは肌を強くこすらず、手を使って泡をやさしく広げるように洗います。

また新生児落屑の皮は、無理にはがさないようにしましょう。皮膚を強くこすったり剥いてしまったりすると肌に負担がかかり、肌トラブルにつながってしまう場合もあるので要注意。皮膚の赤みや炎症など、気になる症状が見られた場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。

なお通常の新生児落屑は生理現象であり、病気ではありません。皮膚に赤みや気になる点があるときは、病院を受診してください。

4-3.Q.新生児落屑と脂漏性湿疹の違いは?

A.黄色っぽいかさぶたが出たら脂漏性湿疹の可能性があります

脂漏性湿疹とは、皮脂分泌の活発な頭皮やおでこなどに多く見られる湿疹のこと。生後2週間から2か月くらいまでの赤ちゃんに起こりやすい皮膚トラブルです。

新生児落屑は皮膚表面の皮がポロポロと落ちるだけの生理現象ですが、脂漏性湿疹は肌トラブルのひとつ。かゆみや赤みをともない、場合によっては頭皮やおでこなど皮脂分泌の多い部分を中心に黄色っぽいかさぶたが見られることがあります。

脂漏性湿疹の予防には、毎日の沐浴で赤ちゃんの肌を丁寧に洗い流し、皮脂や汚れを落として清潔にすることが大切です。なかなか治らない湿疹や、「これは新生児落屑なのかな?それとも脂漏性湿疹?」と悩むような症状が見られた場合には、病院で診てもらいましょう。

脂漏性湿疹については、くわしくはこちらの記事をご覧ください。

  • 【医師監修】新生児(生後0~2か月)に多い「乳児湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)」って?

    【医師監修】新生児(生後0~2か月)に多い「乳児湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)」って?

4-4.Q.脂漏性湿疹を防ぐには、どうすればいい?

A.頭はヘア専用シャンプーで洗いましょう

頭皮は皮脂の分泌が多く、顔・体用のシャンプーでは、余分な皮脂を十分に落とし切れないことも。より洗浄力の高い赤ちゃんのヘア専用シャンプーと使って、指の腹でゴシゴシと洗ってあげましょう。頭頂部の大泉門(ペコペコした部分)も怖がらずに洗うようにしましょう。

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ママ&キッズのベビーヘアシャンプーは、赤ちゃんの細く絡まりやすい髪の毛をケアしながら頭皮の汚れをしっかり洗い落とします。

4-5.Q.顔も洗浄料をつけて洗った方がいいの?

A.1日1回、泡でやさしく洗いましょう

赤ちゃんの顔は、1日過ごすと涙やよだれ、おっぱい、汗などでたっぷり汚れています。1日1回洗浄料を使って汚れを落とすことが、肌トラブル予防になります。赤ちゃんの目や口に入っても大丈夫な洗浄料を選べば、新米パパ・ママも安心してケアすることができます。

ママ&キッズのベビー全身シャンプーは新生児から使用可能です。もちろん目や口に入っても大丈夫ですよ。

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4-6.Q.保湿のタイミングは?保湿剤は使い分けるべき?

お風呂上りはもちろん、朝や汚れを落とした時には保湿してあげましょう。赤ちゃんの肌は季節を問わず乾燥しているので、こまめに保湿することを心がけてくださいね。

保湿アイテムにはさまざまな種類がありますが、新生児の顔の保湿にはのびのよい乳液タイプがぴったり。乳液タイプは水分が多く油分は少なめなので、べたつきにくくさっぱりとした使用感が特徴です。指の腹に取り、少しずつお顔になじませましょう。

からだ全体の保湿には、クリームタイプがおすすめです。クリームはローションに比べると油分が豊富に含まれており、カサカサしやすい肌や乾燥が厳しい冬場の保湿にも適しています。

ママ&キッズのベビーミルキーローションベビーミルキークリームは、どちらも新生児から使用可能です。

なお、オイルやワセリンは肌の上に脂の膜をはって肌を保護するアイテム。例えば、鼻水やよだれを拭き取る際、あらかじめワセリンを塗って置けば肌の摩擦を軽減してくれます。ベビーオイルはおへその掃除をするときに便利ですよ。

5.おわりに

今回は、現役助産師さんに、新生児のからだやスキンケアについて教えていただきました。新生児ならではの特徴を知っていれば、生まれてから「これって普通なの?」と慌てることもありませんし、何か赤ちゃんに変化が起きたときにも気づきやすくなります。わからないことだらけの育児が始まる前に、ちょっとだけ赤ちゃんのからだのことを知っておきましょう。

やわらかくてみずみずしい印象のある赤ちゃんの肌ですが、実は皮膚が薄くてデリケート。乾燥肌になりやすく、適切なスキンケアが重要です。赤ちゃんにやさしいベビー用の洗浄料で全身を清潔に保ち、保湿剤で新生児期から保湿ケアをはじめましょう。

赤ちゃんのからだについて予習していても、実際に育児をはじめると戸惑ってしまう場面もあるかもしれません。はじめての子育てでは、それが普通です。

またナチュラルサイエンスでは、赤ちゃんのスキンケアに悩むママ・パパのための相談ダイヤルを設けています。なにか気になるときは、どうぞ遠慮なくナチュラルサイエンスのお肌相談ダイヤルに相談してくださいね。

お肌の相談ダイヤル
03-5875-1560受付時間 10:00~17:00
(月~金/祝日・夏季休暇・年末年始を除く)

著者情報
株式会社ナチュラルサイエンス

生まれたての赤ちゃんから敏感肌の大人まで、家族みんなで使える低刺激スキンケア「ママ&キッズ」を製造・販売。こちらの公式コラムでは、パパやママ、ベビー&キッズのスキンケア・美容・健康の情報をお届けしています。

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