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【医師監修】アトピーって?アレルギーって?赤ちゃんに多い「アトピー性皮膚炎」を正しく知ろう

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小さな赤ちゃんがいるパパやママは、「アレルギー」や「アトピー性皮膚炎」という言葉に、思わずビクッと反応してしまうのではないでしょうか?

でも、その正体や予防方法を知っていますか?
実は、毎日の「洗って保湿」というスキンケアを正しく行うだけでも、さまざまなアレルギーの根幹にあるアトピー性皮膚炎の予防につながります。

今回は、アトピー性皮膚炎のスペシャリストでアレルギー専門医の澄川靖之先生に、赤ちゃんのアレルギー(アトピー性皮膚炎)について教えていただきました。

監修:澄川 靖之先生

  • 医療法人社団 北燈会 すみかわ皮膚科アレルギークリニック理事長・院長
  • 日本皮膚科学会認定専門医 日本アレルギー学会認定専門医
  • 日本アレルギー学会認定指導医 がん治療認定医

アトピー性皮膚炎とは?

わかりやすく言うと「かゆみのある湿疹が、あらわれたり良くなったりをくりかえす肌の病気」です。

主な症状

・赤くなる
・小さいぶつぶつができる
・皮がカサカサむける
・皮膚が厚くなる
・かさぶたができる

このようなかゆみのある湿疹が、慢性的によくなったり悪くなったりをくりかえします。乳幼児は顔や頭に症状がでやすく、おなかや背中、手足にと広がっていきます。赤ちゃんの耳のつけ根が切れてしまうのも、アトピー性皮膚炎の症状の一つです。

「アトピー」と「アレルギー」の違いは?

なんとなく「肌がかゆくなるだけ」「ぶつぶつや赤みが出るだけ」と軽視されがちなアトピー性皮膚炎ですが、食物アレルギーやぜん息と同じアレルギー性の病気です。

アトピー性皮膚炎はほかのアレルギーと異なり、
@皮膚バリアの低下(乾燥などによるカサカサ状態)
Aかゆみ
Bアレルギー性の炎症(体の反応)

の3つが組み合わさって症状が出ると考えられてきています。

つまり、このうちのひとつである「@皮膚バリアの低下」を保湿ケアで予防してあげることが、アトピー性皮膚炎の予防にはとても大切です。

たかがブツブツ、されどブツブツ…赤ちゃんの湿疹は放置しないで

脂漏性湿疹、乾燥性湿疹、あせも…など、アトピー性皮膚炎に限らず、赤ちゃんの肌には新生児の時からよく湿疹が現れます。

中には、赤ちゃんの肌にぶつぶつができても、「そのうち治るでしょ」と放っておく人もいるのではないでしょうか?働くママも多くなった中、お休みをとって病院に行くのがなかなか大変なご家庭もあるでしょう。

しかし、赤ちゃんの湿疹は、早めにしっかり治すべきといえます。

2010年のカナダの研究では、「乳児期の湿疹は、その後の食物感作・食物アレルギーのリスクである」と発表されています。

食物アレルギーの原因は「肌」にもある!?

2008年に“Dualallergen-exposure hypothesis(二重抗原暴露仮説)”が提唱されました。この仮説では皮膚から入るアレルゲンはアレルギーを起こすように働き、口から入るアレルゲンはアレルギーを抑えるように働く、というものです。現在でも様々な研究で検証が行われているところですが、概ね正しいと考えられています。

これまで食物アレルギーは、口に入れた食べ物が原因で発症すると考えられてきました。しかしこの説が出るようになり、乾燥や湿疹ができて“バリア機能”が弱った肌から、アレルゲン(アレルギーの原因物質)が入り込むことが食物アレルギーの主な原因ではないかと考えられるようになりました。

つまり、ブツブツとした湿疹を放置することは、アレルギーの原因物質を肌からとり込みやすい状態を放置するということです。当然、食物アレルギーやその後に続くアレルギーのリスクを高めることにつながります。

「たかが湿疹」と放置せず、まずは病院に行って正しい診療を受けましょう。脂漏性湿疹や乾燥性湿疹、または軽度のアトピー性皮膚炎なら、スキンケアだけで軽快することもあります。

アトピー性皮膚炎は、きちんと治療すれば怖い病気ではありません

アトピー性皮膚炎は、きちんと治療をすれば症状を管理できる病気です

もしも病院でアトピー性皮膚炎と診断されても、「治らない病気になっちゃった!」と慌てることはありません。アトピー性皮膚炎は、きちんと治療とスキンケアを行っていけば日常生活で困ることはなくなる病気です。

ステロイド薬を正しく使って治療することが大切です

いまだに、「ステロイドは怖いから使わない…」という方がいます。今から十数年前、「ステロイドは悪!」という風潮が高まり、そのせいで正しい治療を行わずにアトピー性皮膚炎を重症化させてしまう患者さんが続出しました。

しかし、ステロイド外用薬は強さにも段階があり、部位や症状の重さによって使い分けるものです。だらだらと使い続けたりせずに、必要な回数と量を守って使用することで、早く症状を落ち着かせることができます。きちんと使用すれば怖いものではなく、とても有効な薬です。自己判断で量や回数を変えたり、指定された部位以外に使うことは避けて、正しく味方につけましょう。

アトピー性皮膚炎の治療にも、予防にも、「スキンケア」が大切です

肌のうるおい不足をスキンケアで補いましょう

アトピー性皮膚炎を発症するお子さんは、肌本来のうるおい成分であるセラミドやNMF(天然保湿因子)を作り出す力が弱いとも言われています。この点は、毎日のスキンケアで補うことができます。

予防にも治療にも、スキンケアが欠かせません

2014年に、国立成育医療研究センターの研究グループが「新生児からの保湿がアトピー性皮膚炎の発症リスクを3割下げられる」と発表しました。ぜひ、赤ちゃん(新生児)からのスキンケアを習慣にしましょう。

すでにアトピー性皮膚炎を発症しているお子さんも、薬などによる治療とともにスキンケアを継続することが大切です。実際に、アトピー性皮膚炎の治療ガイドラインでも、スキンケアの指導が治療のひとつとして記載されています。

赤ちゃんのスキンケアは簡単!毎日「洗ってうるおす」だけです

赤ちゃんのスキンケアは、「きれいに洗ってきちんと保湿をする」、たったこれだけの習慣です。トラブルを起こしがちな肌は、うるおいを奪いすぎない低刺激の洗浄料でやさしく洗ってあげましょう。そのあとは、保湿ケアまで必ずおこなうことが大切です。

赤ちゃんのスキンケア方法はこちらをチェック!

ここがポイント@洗う編

●頭は専用のヘアシャンプーでゴシゴシ洗い
頭は皮脂が多く、きちんと汚れを落とさないと脂漏性湿疹などの原因になります。ボディソープよりも洗浄力が高いヘア専用シャンプーでしっかり汚れを落としましょう。皮脂の多い新生児期は、額までヘアシャンプーで洗うのがおすすめです。

●顔も洗浄料をつけて洗いましょう
顔は外気にさらされ、よだれや涙も多く汚れやすい部分です。顔にも使える(少しくらい口に入っても大丈夫な)ボディソープを使って、やさしく洗ってあげましょう。

●ゴシゴシこすらず、泡を広げるように洗って
ゴシゴシこすると未熟な肌を痛める原因になります。泡を広げるようにしてやさしく洗ってあげましょう。泡で出てくるボディソープが便利です。

●ガーゼやスポンジでなく、手を使って洗います
意外かもしれませんが、ガーゼやスポンジは肌の刺激になります。顔も体も手を使ってやさしく洗うのが一番です。

●くびれの奥まで指でしっかりと
首のシワ、関節、おしりのシワは汚れが溜まりやすい部分。忘れやすいので、意識してきちんと洗うようにしましょう。

●すすぎはやさしい水流のシャワーでしっかりと
ボディソープのすすぎ残しは、肌荒れの原因になります。洗う時と同様に、シワの奥まで忘れずにきちんと流すことが大切です。

●やわらかいタオルでこすらず水分をとります
肌を拭くときも、こすらずにやさしくおさえるように拭きましょう。この時も、シワの奥まできちんと水分を取ってあげてください。

ここがポイントA保湿編

●保湿剤は肌がテカテカするくらいにたっぷりと
せっかくケアをしていても、保湿剤が少ないと十分な効果が得られません。テカテカとするくらいたっぷりぬりましょう。

●こすらず一方向に塗り広げます
ゴシゴシ塗り込まなくても、保湿剤は肌になじみます。肌を刺激しないように一方向にスーッと伸ばしてあげるのがおすすめです。

●耳や首、しわの奥など忘れやすい部分ほど念入りに
細かい(ケアを忘れやすい)部分こそ、肌トラブルが起きやすい部分。忘れずに保湿剤をぬってあげましょう。

●顔もたっぷり保湿を
顔も乾燥しやすく、保湿ケアが必要な部分です。少しくらい目や口に入っても大丈夫な安全性の高い保湿剤で毎日ケアをしてあげてください。

●お風呂あがりだけでなく、肌を清潔にしたら保湿を
朝起きた時、おむつ替えの後、汗を拭いたときなど、肌をきれいにするたびに保湿剤をぬって未熟な肌のバリア機能を補ってあげましょう。

●カサつく部分はクリームでケアも◎
部位や肌質によっては、乳液タイプでは保湿力が足りないこともあります。十分な量をぬっても乾燥が気になるときは、保湿力の高いクリームタイプを使いましょう。

スキンケアアイテム選びには、少し注意が必要です


「赤ちゃんからのスキンケアが大切」とお伝えしてきましたが、使うアイテム選びには少し注意が必要です。きちんと汚れを落とすことは大切ですが、うるおいを奪いすぎるような洗浄料だと、かえって湿疹や乾燥などのトラブルを引き起こす原因になります。

また、近年世界中で赤ちゃんの保湿ケアに関する研究がされていますが、中には保湿アイテムが原因で食物アレルギーのリスクが高まってしまったかのような結果のものもあります。

特に赤ちゃんに使用する場合は、保湿力が高く、きちんと安全性が確認されたスキンケアを選ぶことが大切です。香料や着色料など、未熟でデリケートな赤ちゃんの肌にとって不要な成分が入っていないものを選びましょう。

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おわりに

今回はアトピー性皮膚炎のスペシャリストである澄川先生に、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎やアレルギーについて教えていただきました。アトピー性皮膚炎などのアレルギーを漠然と怖がっていた方も、正しい情報を知ることで不安が薄らいだ方も多いのはないでしょうか?

生まれ持った体質は変えられなくても、日々のスキンケアがアトピー性皮膚炎の予防や治療につながります。さっそく今日から、正しいスキンケアを習慣にしてみてくださいね。

【参考】

杉山剛『これが最新 赤ちゃんのスキンケアはよくわかる本』.主婦の友社.2016
椛島健治,宮地良樹『エビデンスに基づくアトピー性皮膚炎治療−あたらしい潮流』.中山書店.2019
独立行政法人 環境再生保全機構『小児アトピー性皮膚炎ハンドブック』.2009
山本一哉『かかりつけ医のためのこどものアトピー性皮膚炎診療&スキンケア指導』.金原出版. 2017
佐々木りか子『よくみる子供の皮膚疾患−診療のポイント&保護者へのアドバイス』.医学書院.2018

国立成育医療研究センター「アトピー性皮膚炎」
https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/allergy/atopic_dermatitis.html

国立成育医療研究センター「世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見」
http://www.ncchd.go.jp/press/2014/topic141001-1.html

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