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ベビー(赤ちゃん)

2023.12.14

【医師監修】赤ちゃんの顔や頭にブツブツが!?新生児に多い「乳児湿疹」(脂漏性皮膚炎)の原因・予防・対処法

【医師監修】赤ちゃんの顔や頭にブツブツが!?新生児に多い「乳児湿疹」(脂漏性皮膚炎)の原因・予防・対処法

赤ちゃんの顔や頭にできる肌のブツブツトラブルができる「乳児湿疹」(脂漏性皮膚炎)の原因や予防について、皮膚科・アレルギー科の専門医 澄川靖之先生に教えていただきました。新生児特有の乳児湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)を中心に解説します。

目次

はじめての育児は驚きと戸惑いの連続。ふとしたときに、かわいい赤ちゃんのおでこや頭皮がブツブツだらけになっているのに気づいてびっくり!というママやパパも少なくありません。

そこで今回は、赤ちゃんの顔や頭にできる肌のブツブツトラブルの原因や予防について、皮膚科・アレルギー科の専門医 澄川靖之先生に教えていただきました。新生児特有の乳児湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)を中心に解説します。

監修:澄川 靖之先生
医療法人社団 北燈会 すみかわ皮膚科アレルギークリニック理事長・院長


日本皮膚科学会認定専門医 日本アレルギー学会認定専門医
日本アレルギー学会認定指導医 がん治療認定医

1.生後2カ月までの赤ちゃんに多い「乳児湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)」とは

「乳児湿疹」とは、1歳くらいまでの赤ちゃんに起こりやすい、肌のブツブツ トラブルの総称です。乳児湿疹の一つである「乳児脂漏性湿疹」は、特に新生児期(~生後2カ月くらいまで)の赤ちゃんに多く、頭皮やおでこにブツブツができます。

1-1.乳児湿疹(脂漏性皮膚炎)は一つじゃない!知っておきたい赤ちゃんによくある肌トラブル

<赤ちゃんに起こりやすい皮膚トラブルの一例>

・乳児脂漏性皮膚炎
・皮脂欠乏性皮膚炎
・新生児ざ瘡
・接触性皮膚炎
・アトピー性皮膚炎

乳児湿疹とひとことでいっても、赤いブツブツができる湿疹や、肌がカサカサになる湿疹など症状はさまざま。

たとえば、生後2カ月くらいまでの赤ちゃんに起こりやすい「乳児脂漏性皮膚炎」と「皮脂欠乏性皮膚炎」では、原因と対処法がまるで逆といっていいほど。

乳児脂漏性皮膚炎は皮脂の分泌が過剰になって起こるため、まずはしっかり洗って余分な皮脂を洗い流すことが重要になります。一方、皮脂欠乏性湿疹の場合は、皮脂が不足して肌や頭皮が乾燥するため、保湿ケアが特に重要なのです。

こうした乳児湿疹の悪化を防ぐには、原因別に正しいケアを行うことがとても大切だということですね。

2.新生児に多い、赤いブツブツ「乳児脂漏性皮膚炎」とは

生後2カ月くらいまでの新生児に多い「乳児脂漏性皮膚炎」。新生児期の赤ちゃんのおでこや頭は、皮脂の分泌が非常に活発で乳児脂漏性皮膚炎になりやすい傾向があります。

2-1.「乳児脂漏性皮膚炎」の原因

乳児脂漏性皮膚炎の原因は、新生児特有の過剰な皮脂。胎盤経由でママからもらった女性ホルモンの影響などで皮脂の分泌が多くなるため、生後2カ月ころまで皮脂が過剰になりやすいといわれています。

また、赤ちゃんの毛穴は大人に比べて小さく、皮脂が詰まりやすいことも乳児脂漏性皮膚炎が起きやすい理由の一つです。その上、赤ちゃんの洗い方が不十分だったり、誤ったスキンケアをすることも、乳児脂漏性皮膚炎の原因になります。

2-2.「乳児脂漏性皮膚炎」の特徴は?

乳児湿疹が乳児脂漏性皮膚炎なのか、またはアトピー性皮膚炎のような別の皮膚トラブルかを見分ける目安として、次の5つのポイントをチェックしてみましょう。

<赤ちゃんに起こりやすい皮膚トラブルの一例>

・頭皮からおでこにかけて、ブツブツが出ている
・新生児期(~生後2カ月ころ)である
・黄色いカサブタやフケが目立つ
・頭やおでこをさわるとベタついている
・赤ちゃんからあぶらっぽい臭いがする

※上記はあくまで目安です。原因によって治療の方法も変わるため、肌の湿疹が続くときは必ず受診しましょう。

2-3.「乳児脂漏性皮膚炎」が悪化する原因と症状

乳児脂漏性皮膚炎が悪化するおもな原因は、余分な皮脂を落としきれないこと。皮脂汚れが残ったままでは、ブツブツが増えてあぶらっぽいニオイが強くなり、かさぶた状に皮脂が固まりやすくなります。皮脂汚れは、さまざまな肌トラブルにつながるためいつも清潔に保つことが大切です。

また、皮脂汚れを落としきれないまま保湿剤をつけたり、赤ちゃんの肌にとって刺激が強い保湿剤を使うことも、乳児脂漏性皮膚炎などの湿疹を悪化させる原因になります。

3.「乳児脂漏性皮膚炎」の対処と予防 [洗う編] 7つのポイント

乳児脂漏性皮膚炎の予防は、まずは頭皮やおでこをきちんと洗うということでしたね。そこで、新生児のために押さえておきたい7つのシャンプー ポイントを解説します。

3-1.【ポイント1】1日1回、洗浄料を使って洗う

乳児脂漏性皮膚炎のいちばんの予防と対策は、毎日のシャンプー。余分な皮脂をきちんと落としてあげることが重要です。おでこや頭部の余分な皮脂は毛穴詰まりの原因になりますから、毎日1回シャンプーをしてあげましょう。
[チェック!] 新生児から、ヘアシャンプーで毎日洗うのが基本です

3-2.【ポイント2】頭は赤ちゃん専用のヘアシャンプーで洗う

頭皮を洗うときは、毛量や月齢に関わらず全身用シャンプーではなく頭専用の赤ちゃん用ヘアシャンプーを使いましょう。赤ちゃん専用のヘアシャンプーは皮脂の多い頭に合わせた洗浄料で、余分な皮脂をすっきり落とせます。また、目にしみにくく、赤ちゃんならではの細くてからまりやすい髪のことも考えられた処方がおすすめです。

新生児期の赤ちゃんはおでこまでベタつくため、頭皮用シャンプーでやさしく洗ってあげることもコツですよ。

赤ちゃんのためのシャンプー選びのポイントは、デリケートな肌にやさしくて、目や口に入っても安全なヘアシャンプーです。
[チェック!] 赤ちゃんのためのヘアシャンプーは「安全性テスト確認済みかどうか」を確認

3-3.【ポイント3】頭皮はゴシゴシ、顔はやさしくが洗うのがコツ

赤ちゃんの頭皮は、専用のヘアシャンプーを使って指の腹でしっかり洗いましょう。デリケートな赤ちゃんの肌はこすらずやさしく洗うのが大原則ですが、頭皮はある程度ならゴシゴシ洗いも大丈夫。過剰な皮脂汚れをきちんと落とすことが大切です。

そして、もう一つのポイントはおでこ。皮脂過剰で、ベタベタする場合は頭皮用シャンプーでおでこも洗いましょう。おでこを洗うときは、肌をこすらずにやさしく洗うのがコツ。たっぷりの泡を転がすように洗うと、肌への負担を減らせますよ。

ちなみに、以前は赤ちゃんの沐浴にガーゼを使いましたが、今はできるだけからだをこすらないようにするため、あまり使われていません。手でやさしく洗うことがおすすめです。
[チェック!] 頭皮は指の腹でゴシゴシ洗ってOK! おでこはこすらず、泡を転がすように [チェック!] 新生児のベタつくおでこはヘアシャンプーで汚れをオフ

3-4.【ポイント4】柔らかい頭頂部もしっかり洗う

ベタつきやすい大泉門(頭頂部のぺこぺこした部分)も、強く押さなければゴシゴシ洗いで大丈夫。怖がらずにしっかり洗って乳児脂漏性皮膚炎を予防しましょう。
[チェック!] 頭頂部の柔らかい部分は、指を強く押し込まないこと。しかし、皮脂が多く、ベタつく部分なので指の腹でゴシゴシ洗いはしたほうがいいでしょう

3-5.【ポイント5】頭皮にできた脂のかたまりも指の腹でやさしく

皮脂が固まって黄色いかさぶたになっても、爪を立てて汚れを取ってはいけません。

指の腹でゴシゴシと洗い、それでも取れなければ、無理をしないで早めに皮膚科を受診しましょう。
[チェック!] 赤ちゃんの頭皮に爪を立てないで! 黄色いかさぶたも指の腹でゴシゴシ [チェック!] 洗っても取れない黄色いかさぶたは、早めに皮膚科で相談を

3-6.【ポイント6】安全テスト済み!赤ちゃんの目や口に入っても安心なシャンプー選びが肝心

大切な赤ちゃんに使うシャンプーは、安全性と品質にこだわったアイテムが安心ですよね。頭皮と髪を洗うなら各種安全テスト済み(*1)の低刺激ヘアシャンプー『ママ&キッズ ベビーヘアシャンプー』をおすすめします。
このシャンプーは、皮膚科医の協力のもと作り出されました。全国250カ所(*2)以上の産院で使われ、たくさんの方々から信頼さています。生後すぐの新生児から使えるので、頭皮トラブル予防の心強い味方になってくれますよ。
[チェック!] 信頼できるアイテム選びは、安全テストがきちんと行われているかどうかを確認するのがポイント

▶ママ&キッズ ベビーミルキーローションの詳細はこちら

(*1)全ての方の肌に合うというわけではありません。
(*2)2022年4月ナチュラルサイエンス調べ

3-7.【ポイント7】水圧の弱いシャワーでよくすすぐ

赤ちゃんを洗うときは、38~39℃のぬるめのお湯で、シャワーの水圧を弱くしてすすぎます。清潔なお湯で流すことが大切です。赤ちゃんが浸かっているベビーバスのお湯ではなく、シャワーかきれいなお湯を洗面器などに準備してすすぎましょう。

頭をすすぐときは、少し首を持ち上げて頭のてっぺんからお湯ですすぎます。そうすると赤ちゃんも自然に目を閉じ、鼻や口にも水が入りにくくなります。耳もふさがなくても大丈夫です。
[チェック!] 熱いお湯はNG!赤ちゃんはぬるめのシャワーでやさしく洗って [チェック!] シャワーのとき、赤ちゃんの耳をふさがなくて大丈夫

4.「乳児脂漏性皮膚炎」の対処と予防 [保湿編] 7つのポイント

赤ちゃんの肌は生まれた瞬間から乾燥が始まります。新生児特有のベタつきが気になるところも一部ありますが、基本は常にカサカサの状態。乳児脂漏性皮膚炎だけでなく、全身の肌の乾燥対策と予防も必要だということです。ここからは、新生児の保湿ケアを7つのポイントに分けて解説します。

4-1.【保湿ポイント1】お風呂上がりは5分以内に保湿をスタート

お風呂上がりの保湿は、赤ちゃんの肌が乾燥してしまう前に始めることが重要。肌は乾燥しやすい状態になっていて、お風呂を出てから5分以内に保湿剤を塗るのが理想的だといわれています。もちろん、時間が経ってからでも保湿することが大切ですから忘れずにぬってあげましょう。

お風呂上りをスムースにするため、事前にタオルや着替え、保湿剤の準備をしておきましょう。
[チェック!] お風呂の前に準備するもののリスト
・お風呂の準備:ベビーバス、洗浄剤、温度計
・入浴後に保湿するための準備:保湿剤
・着替え
・おむつ
・授乳をする準備

4-2.【保湿ポイント2】顔は乳液、体はクリームで保湿

新生児期の赤ちゃんの顔やおでこは乳液(ミルク)、からだはクリームで保湿しましょう。乳液はクリームよりも油分が少ないため、皮脂の分泌が多くなりがちなフェイスケアにおすすめです。ただし、乾燥が強い場合は、顔もクリームでケアしても構いません。
[チェック!] 保湿剤は、顔はミルクローション、からだはクリームと覚えて

4-3.【保湿ポイント3】保湿はやさしく!ゴシゴシはNG

赤ちゃんの肌に保湿剤をぬるときは、やさしくつけてあげましょう。ゴシゴシぬるのはNGです。強くすり込んでも浸透がよくなるわけではありません。むしろデリケートな赤ちゃんの肌を傷つけてしまうおそれがあるので要注意です。保湿剤をたっぷり手に取って肌をこすらないように一方向にやさしく伸ばしてあげましょう。
[チェック!] 保湿剤はやさしいタッチで。たっぷりの量を手に取ってやさしくひろげる

4-4.【保湿ポイント4】保湿剤の目安は、各部位ごとに500円玉大

保湿剤をつけたあとティッシュがペタッとくっつくくらい、たっぷりぬりましょう。保湿剤の量が少ないと、十分な保湿効果が得られないことがあります。

なお、病院で処方されるワセリンだけでは、肌を十分に保湿できない場合もあります。ワセリンは肌の表面に油膜を作って水分の蒸発を防ぎますが、肌にうるおいを与える成分は入っていません。
[チェック!] 赤ちゃんの保湿の分量の目安
・顔:5円玉大
・胸~おなか:500円玉大
・背中~おしり:500円玉大
・腕:5円玉大(片腕あたり)
・脚:5円玉大(片脚あたり)

4-5.【保湿ポイント5】赤ちゃんは10回拭いたら10回保湿!

赤ちゃんはお風呂上がりだけでなく、朝起きたときやおむつ替え、食べこぼしの拭き取り、汗や鼻水を拭くときなど、1日に何度も拭かれます。肌は拭かれるたびにうるおいも奪われ、バリア機能もダメージを受ける場合があります。すると肌は刺激に弱くなって炎症を起こしやすくなってしまいます。

赤ちゃんの肌を拭きとるたびに保湿してあげることが大切だということです。

また、拭き取りをしていない部位も、肌の乾燥を感じたら保湿してあげましょう。スキンケアの回数が多くても問題はありません。
[チェック!] 赤ちゃんは拭いたら必ず保湿と心得て

4-6.【保湿ポイント6】保湿剤はアレルギーテスト済みのアイテムが安心

赤ちゃんの肌につける保湿剤は、安全性が高くてクオリティの高いものを選ぶことが大切。無香料であることに加え、アレルギーテスト済みであることも重要なチェックポイントです。合わない保湿剤が原因で、思わぬ肌トラブルが起こることもあります。

保湿におすすめなのは、ママ&キッズの『ベビーミルキーローション』。みずみずしい質感でベタつきにくい乳状ローションです。

各種アレルギーテスト済(*3)なので、生まれたばかりの赤ちゃんにもぴったり。胎脂に近い成分ベビーズエマルジョンⓇや、ママの羊水に含まれる8つのうるおいアミノ酸が配合されている、赤ちゃんの肌にうれしい高品質な保湿剤です。
[チェック!] 赤ちゃんに使う保湿剤は「品質」がとても大切!

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(*3)全ての方の肌に合うというわけではありません。

4-7.【保湿ポイント7】頭やおでこの脂のかたまりにはクレンジングもおすすめ

ヘアシャンプーで洗っていても黄色い脂のかたまりができやすい赤ちゃんには、低刺激な汚れを浮かせるクレンジング剤がおすすめ。

ママ&キッズの『クレンジングミルク』は、新生児から使える低刺激処方のクレンジング料。やさしく汚れを浮き上がらせて、肌に負担をかけずに皮脂汚れまできれいにオフします。
[チェック!] 皮脂が多く、脂のかたまりができやすい赤ちゃんは、脂をやさしく浮かせてオフするクレンジングで予防

▶ママ&キッズのクレンジングミルクについて詳しくはこちら

5.乳児湿疹で病院へ行く判断ポイントは?

顔や頭皮のベタつきだけでなく、ブツブツや赤み、かゆみ、炎症が出たら、早めに専門医へ相談することが大切です。赤ちゃんの湿疹が長引いたり、悪化しているなら急いで病院へ!

5-1.乳児湿疹の原因を病院で調べたほうがいい症状は?

湿疹が長引いていたり、かゆみやブツブツが出たときは、皮膚科や小児科を受診しましょう。

6.新生児に多い「乳児湿疹(乳児脂漏性湿疹)」まとめ

・新生児期は頭皮と、おでこの皮脂分泌が過剰になりがちで、乳児湿疹(脂漏性湿疹)が出る赤ちゃんが多い

・乳児湿疹は赤ちゃんの肌トラブルの総称であり、湿疹にはいくつかの種類がある

・湿疹の原因によってケアの方法や治療内容が違うため、原因を明確にして対処をしないと逆効果になることもある

・乳児湿疹の一種である「乳児脂漏性皮膚炎」は新生児特有の肌トラブル

・乳児脂漏性皮膚炎になると頭皮やおでこにブツブツができたり、黄色いカサブタ状の皮脂のかたまりができることがある

・乳児脂漏性皮膚炎は、ていねいなシャンプーで清潔に保つことで予防できるケースが多い

・安全性の高い赤ちゃん用ヘアシャンプーを選んで、毎日洗うことや、乾燥しやすい身体などの保湿ケアが大切

・心配な症状があるときは、早めに医師に相談する

今回は、乳児湿疹と乳児脂漏性皮膚炎について澄川先生に教えていただきました。新生児の多くが経験する肌のブツブツ トラブルにならないように、赤ちゃんの肌の特徴を学んで正しい予防ケアを始めましょう。

著者情報
株式会社ナチュラルサイエンス

生まれたての赤ちゃんから敏感肌の大人まで、家族みんなで使える低刺激スキンケア「ママ&キッズ」を製造・販売。こちらの公式コラムでは、パパやママ、ベビー&キッズのスキンケア・美容・健康の情報をお届けしています。

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