ストップ風疹! 風疹の予防接種で、未来の赤ちゃんを守ろう

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平成25年(2013)年、国内で風疹が大流行しました。風疹は5年周期で流行すると言われていて、今年(平成30年)も東京都ではすでに72件の届出があり、流行が心配されています。(※平成30年8月26日現在)

妊婦さんが感染すると、赤ちゃんが「先天性風疹症候群」で生まれる危険があります。風疹の撲滅には、妊婦さんはもちろん、感染者の多い男性も積極的に予防接種を受けることが必要です。

風疹(風しん・ふうしん)とは

風しんは、風しんウイルスによって引き起こされる急性の風しんウイルスによっておこる急性の発疹性感染症です。

風しんウイルスの感染経路は、飛沫感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播します。症状は不顕性感染から、重篤な合併症併発まで幅広く、特に成人で発症した場合、高熱や発しんが長く続いたり、関節痛を認めるなど、小児より重症化することがあります。また、脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、入院加療を要することもあることから、決して軽視はできない疾患です。

また、風しんに感受性のある妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、出生児が先天性風しん症候群を発症する可能性があります。

※厚生労働省HPより引用
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/

予防できる病気なのになくならない、「先天性風疹症候群」

今の子どもたちは、2回接種を受けることになっていて、ワクチンの効果を高めています。しかし、平成2年4月1日以前に生まれた人は、子どものころに1回しか接種を受けていない、あるいは1回も受けていない方もいます。

この世代の女性がママになる今、目や耳、心臓などに障害を持って生まれる「先天性風疹症候群」の赤ちゃんが増えているのです。そのリスクは、妊娠1ヶ月でかかった場合50%以上、妊娠2ヶ月の場合は35%とも言われています。

「1回受けているから大丈夫」は誤解! 風疹流行の落とし穴

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親御さんに「あなたは子どものときに予防接種を受けているから大丈夫」と言われて、安心している方も多いのではないでしょうか?

しかし、これが現在も風疹が定期的に流行する落とし穴なのです。
実は、予防接種は1回では抗体が作られない方もいるため、2回受けることが大切です。また、きょうだいが複数いるのが当たり前の時代でもあったので、親御さんの記憶が曖昧だったり、麻疹や他の予防接種と勘違いしている方もいます。「記憶」ではなく、母子手帳などの「記録」でしっかりチェックし、確認できない場合は風疹の抗体検査を受けましょう。

妊娠してから抗体がないことに気づいても、予防接種は行えません

妊娠して喜びいっぱいの時に、健診で風疹の抗体がないことが判明し、驚く女性が多くいます。妊娠してからは予防接種は行えないため、人混みを避け、不要不急の外出を控えることしかできません。予防には、妊娠前の行動が重要です。ご自身はもちろん、パートナーや家族、まわりの方にも予防接種をうけてもらい、感染しないように気をつけましょう。

妊娠を考えている女性は、まずは抗体の有無の確認を!

抗体があるかどうかは、検査で簡単にわかります。女性限定のことが多いですが、自治体で風疹の抗体検査や予防接種の費用を助成してくれるところもあります。特に、妊娠を希望している女性は、早めの対応が必要です。妊娠していると予防接種はできないため、妊娠をしていない時期に接種を行い、その後2か月間の避妊が必要です。

一番の感染者は、働き盛りの男性!

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東京都感染症情報センターでは、風疹の予防接種を推奨しています。特に接種の検討を勧めているのが、次の方々。

① 30~50代の男性
② 妊婦さんの夫、子どもおよび同居家族
③ 妊娠を予定または希望する女性

「え? 一番目に男性がくるの!?」と、意外だった方も多いのではないでしょうか? 実は、平成24~25年の風疹患者1万6000人のうち、約8割が男性なのです。

男性は、予防接種を受けていない人が多数!

かつて、風疹の予防接種は女子のみが中学校で集団接種が行われていました。平成7年4月からは、男女共に中学生で接種することになったものの、集団接種ではなく医療機関での個別接種であったため、その接種率はあまり高くありません。

そのため、昭和54年4月2日から昭和62年10月1日までに生まれた人たちには、風疹の予防接種を受けていない人が多いのです。またそれよりも前(昭和54年4月1日以前)に生まれた男性は、そもそも1回も風疹の予防接種を受ける機会すらありませんでした。この世代がまさに風疹患者が一番多く、流行の原因になっているのです。

風疹は症状として出ないこともあり、初期症状もカゼに似ているため、気づかないままに電車や会社で風疹を広めていることが多いのです。男性こそ、ぜひ積極的に予防接種を受けましょう。

麻疹・風疹予防接種者がなかなか増えない現状

風疹・麻疹は、予防接種で防ぐことができます。しかしながら、1本1万円近い値段であることがネックとなり、なかなか広まらないのが現状です。特に働き盛りの男性だと、風疹と聞いてもいまいちピンと来ず、身近な方が妊娠していない限り、仕事を休んで接種を受けるまでになかなか至らないようです。

しかし、風疹の撲滅には、一人ひとりが予防接種を行うことが何よりも大切です。他人事と思わず、これから一緒に社会で生きていく赤ちゃんの健康のために、予防接種をご検討ください。

ナチュラルサイエンスでは、風疹の予防接種を全従業員に行っています

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ナチュラルサイエンスでは、先天性風疹症候群の赤ちゃんを減らすために「ストップ風疹プロジェクト」を推進しています。

ストップ風疹プロジェクト

その一環として、2014年から男性社員やパート従業員を含む全員に、麻疹・風疹の予防接種を行っています。新たに北海道白老町虎杖浜にオープンした自社施設「ナチュの森」を含め、今年入社したメンバー全員に会社負担で集団予防接種を行います。

●参考
NHK NEWS WEB  ストップ風疹 ~赤ちゃんを守れ~
https://www.nhk.or.jp/d-navi/stopfushin/

東京都感染症情報センター 風しんの流行状況(東京都 2018年)
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/rubella/rubella/

NIID国立感染症研究所 風疹Q&A(2018年1月30日改訂)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/rubellaqa.html


     

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