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【小児科医直伝】赤ちゃんに使う洗浄料・保湿剤の選び方

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世の中には色々なベビースキンケア製品が出ていますが、赤ちゃんにはどんな基準でアイテムを選べばいいのでしょうか?「低刺激の基準って?」「オーガニックなら安全?」と、迷ってしまいますよね。

そこで今回は、小児科医でアレルギー専門医でもある杉山剛先生に赤ちゃんに使う洗浄料・保湿剤の選び方についてお話をうかがいました。

皮膚は「最大の臓器」。スキンケアでトラブルを防いであげましょう

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皮膚は体の中で最大の臓器です。しかし、なぜか皮膚のトラブルは放っておいても治ると軽視されがちです。しかし、「細菌感染の予防や免疫機能をつかさどる臓器が炎症を起こしている」と考えると、放ってはおけないですよね!

実際に、皮膚が炎症を起こしていると、アトピー性皮膚炎などのアレルギーの原因になります。皮膚を常にすこやかに保ち、皮膚トラブルを起こさないようにすることが大切です。

赤ちゃんの肌は、未熟な状態。厚さは大人の約半分しかなく水分も油分も少ないため、刺激に対するバリア機能も未熟な状態です。そのため、毎日キレイに洗って清潔にし、保湿剤を使ってしっとりうるおし、皮膚トラブルを予防することが重要です。

しかし、その洗浄・保湿アイテムを使い続けることによって皮膚トラブルを起こしてしまったのでは、元も子もありませんね。ここで、赤ちゃんのスキンケア選びのポイントを知っておきましょう。

洗浄料は、弱酸性のものを選ぶことが大切です

トラブルのない健康な皮膚は、弱酸性です。実は、この肌状態を保つことがとても重要なのです。

肌を常に弱酸性に保っておくと、炎症やかゆみの予防にもなり、「黄色ブドウ球菌」の繁殖を抑えることもできます。しかし、アルカリ性の洗浄料で体を洗いすぎてしまうと、皮膚に炎症が起きたり、皮膚がアルカリ性に傾き黄色ブドウ球菌が繁殖してしまいます。実際に、アトピー性皮膚炎の方の皮膚は、アルカリ性に傾いています。

そのため洗浄料は、アルカリ性のものよりも弱酸性のものがおすすめです。ヨーロッパのガイドラインでは、洗浄剤はpH5.5以下(酸性)の洗浄料が望ましいとされています。また、皮膚を弱酸性に保つだけでなく、アルカリ性の洗浄剤と比べて洗浄後の水分蒸散量(肌の水分が逃げてしまう量)も少ないという研究もあります。

赤ちゃんには、泡で出てくる液体洗浄料がおすすめです◎

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洗浄料が弱酸性かアルカリ性かを見分ける簡単な方法ですが、おおよそ「液体洗浄料は弱酸性、固形石鹸はアルカリ性」と考えてもらってよいと思います。

液体洗浄料には、液体で出てくるタイプと泡ででてくるタイプがありますね。この2つのどちらがいいとは言い切れませんが、赤ちゃんの肌はたっぷりの泡でこすらないように洗ってあげることが重要です。そう考えると、泡立ての手間を省ける「泡で出てくるタイプ」が便利かもしれませんね。

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低刺激・赤ちゃん用の洗浄料を選びましょう

研究用に接触性皮膚炎(肌トラブル)のマウスをつくるのに用いられる、ある成分があります。これが実は、大人用の一般的なヘアシャンプーに使われていたりします。

つまり、大人用のヘアシャンプーには、肌の弱い人だとトラブルを起こしてしまうかもしれない成分が入っている場合もあるのです。決して「大人用のシャンプーが悪いものだ」と言っているわけではありません。ただ、大人ならなんともないからといって、それがイコール「肌が未熟でデリケートな赤ちゃんにとっても大丈夫」とは言い切れないということです。

お母さんは、自分が使っているお気に入りの製品を赤ちゃんにも使ってあげたくなりますが、赤ちゃんには赤ちゃん用の洗浄料を選びましょう。先ほど例にあげた成分と同じように、大人にとっては大丈夫な香料や着色料であっても、赤ちゃんの皮膚にも安心とは言い切れません。皮膚トラブルのリスクを減らすには、不要な成分が入っていない低刺激の製品を選ぶといいでしょう。

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「オーガニック」にもちょっと注意が必要です

「肌にとって余計なものが入っていないもの」と聞くと、オーガニック製品を想像される方が多いのではないでしょうか。ただ、この「オーガニック」には、ちょっと注意が必要です。

あるお母さんが、ヒノキアレルギーのお子さんにヒノキのオーガニックオイルを使い続けていたところ、アトピー性皮膚炎がさらに悪化してしまっているのを目にしたことがあります。これは花粉症の人に花粉を吹きつければ花粉症がひどくなるのと同じで、アトピー性皮膚炎も悪化してしまったのです。

オーガニック製品の中には、アレルギーの原因となる抗原がきちんと除去されていないものもあります。オーガニック製品は食べ物として食べる場合には健康的でおすすめですが、皮膚(特に炎症を起こしている皮膚)に塗るのはかえって良くない場合もあることを頭に入れておきましょう。赤ちゃんに使うならば、皮膚アレルギーテストなどをクリアした精製された製品の方が、安心かもしれませんね。

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赤ちゃんは積極的に保湿しましょう

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「保湿剤の使用は、アトピー性皮膚炎を予防する」という研究報告があります。これはどういうことかと言うと、アトピー性皮膚炎になるお子さんは生まれつき皮膚のバリア機能やうるおいを生み出す力が少ないと言われています。そうであれば、足りない水分を保湿剤で補ってあげることこそがアトピー性皮膚炎の予防になるということです。

アレルギーはアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息・・・と、行進曲のようにつながって発症していくという「アレルギーマーチ」という考え方があります。まずは、赤ちゃんのときから毎日保湿をして、アトピー性皮膚炎を予防することが、将来のアレルギーを予防することにもつながるのです。

保湿剤も、赤ちゃんが使える低刺激のものが基本です

洗浄料のところでもご紹介しましたが、保湿剤は直接皮膚に塗って吸収されるものですから、肌にとって余分な成分が入っていないものが望ましいでしょう。保存料や添加物が、アトピー性皮膚炎を悪化させたという例もあります。生まれてすぐから使える低刺激の保湿剤を選ぶようにしましょう。

保湿剤にも、色々あります

たとえば、最近市販品でも多い「ワセリン」は、肌に油膜を張って、水分の蒸発を防ぐという効果があります。食品が乾かないように、ラップをするイメージですね。つまり、水分の蒸発は防げますが、肌のバリア機能を改善する効果はありません。保湿効果があるといわれる成分でも、その効果にはちょっとずつ違いがあります。

赤ちゃんの皮膚におすすめの成分のひとつとして、セラミドがあります。セラミドは保湿効果もさることながら、皮膚のバリア機能をアップさせる効果にもすぐれています。赤ちゃん用の保湿剤を選ぶなら、もともと皮膚に存在する保湿成分を補ってくれるものがいいかもしれませんね。

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おわりに

今回は、小児科医でアレルギー専門医でもある杉山先生に、赤ちゃんに使う洗浄料・保湿剤の選び方のポイントをうかがいました。

よかれと思ってスキンケアをしたのに、そのアイテムで肌が荒れてしまったら悲しいですよね。
トラブル知らずのぷるぷる肌を赤ちゃんにプレゼントするには、最初のアイテム選びがとても大切です!
先生からのアドバイスを参考に、ぜひアイテムを見直してみてくださいね。

●参考
杉山剛『これが最新 赤ちゃんのスキンケアがよくわかる本』主婦の友社(2016)
>詳細はこちら

監修
杉山剛 先生
社会医療法人杏嶺会一宮西病院小児科部長。小児科専門医、アレルギー専門医。赤ちゃんの肌トラブルを予防する「あわ・もちスキンケア」を提唱。生まれてすぐからのスキンケアを啓発されている。
著書『これが最新 赤ちゃんのスキンケアがよくわかる本』主婦の友社(2016)